ここでは障害福祉に関わる専門的な用語を簡潔に解説しています。
障害福祉に関わる全てを網羅しているわけではなく、個人的な経験を基にキーワードを選定しています。
特に、障がい者支援に携わる初任者から中堅職員を対象に、支援の現場で使用する用語を集めました。
所属する法人、事業所によって意味や使い方が異なる場合がありますのであらかじめ了承ください。
【か】
回議書
イベントや外出等、担当者が作成した計画案をリーダーや上長に順次に回して承諾を求めること、またその書類。
実施計画案等を含んだ書類一式に回議用紙を添付して作成することがある。
起案書、稟議書とも言われる。
介護支援専門員
一般にケアマネージャーのこと。
➡︎ケアマネージャー
介護職員基礎研修
2013年(平成25年)4月の介護保険法の改正により、訪問介護の資格であるホームヘルパー1級と共に介護福祉士実務者研修に一本化された。
ただし、2016年(平成28年)1月以降、介護職員基礎研修修了者が介護福祉士国家試験の受験要件を満たすには、別に「喀痰吸引等研修」の修了(+実務経験3年以上)が必要となる。
介護職員初任者研修
介護の基礎知識と技術の習得を目的とした介護福祉の入門資格。
この資格が、介護福祉士受験の要件とはならない。
この資格が、介護福祉士実務者研修受講の要件とはならないため、実務者研修を先に受講しても良い。
介護福祉士実務者研修との違いは、受講科目と時間数。
障害福祉サービスにおいては、高齢化する利用者や重度心身障がい者への入浴支援などの身体介護の場面で、介護系資格が役に立つことが少なくない。
旧ホームヘルパー2級(訪問介護員2級養成研修)。
出典:「研修体系とキャリアパスの仕組み」介護福祉の学校 キャリタス
さらに下層の研修として、2019年度より介護未経験者のための入門的研修制度が整備、実施されている。
出典:「介護に関する入門的研修の概要」厚生労働省
介護に関する入門的研修
2019年(平成31年)4月1日に導入される。
介護未経験者の介護分野への参入、基礎知識と技術の習得を目的として創設。
介護福祉士
習得した介護の知識や技術を多方面に渡って活かすための国家資格。
介護福祉系唯一の国家資格。
- 実務経験ルートでは、実務経験3年以上、かつ実務者研修修了。
- その他以下引用図参照
上位の資格として認定介護福祉士があるが、国家資格ではない。
出典:「介護福祉士国家試験」公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
介護福祉士実務者研修
質の高い介護サービスの提供と基本的な介護能力の習得を目的とした資格。
旧介護職員基礎研修と、旧ホームヘルパー1級(正式名:訪問介護員1級養成研修)が介護福祉士実務者研修に一本化された。
この資格取得が、上位の介護福祉士受験の要件となる。
介護職員初任者研修よりも受講科目と時間数が多い。
研修受講に必要な要件はなく、未経験者でも受講できる。
外出
社会経験を積ませることや、社会的交流を目的としている。
外出を含んだ余暇活動の充実を理念として掲げている事業所も多い。
施設利用者の多くは外出を楽しみにしている。
一方、同行する支援員にとっては、多大な注意と責任を要する支援の一つである。
お金や車両、失禁セットの準備、同行支援員の確保など十分に計画を練らなければならない。
また、利用者の言動に冷や汗をかかされるのも醍醐味の一つ。
非常ベルを鳴らすことに執念を燃やす利用者には十分注意しなければならない。
買い物支援
一般に日常生活において必須と思われる買い物についても社会経験という意味で重要な支援。
支援員が、利用者の買い物に同行し、購入品の選択や支払い、金銭管理について支援すること。
外出同様利用者が楽しみにしている活動の一つ。
駄々をこねる利用者には、予め買うものをその利用者と決めておくこと。
また、他の同行支援員にも周知し連携を図る。
学習障害(LD)
話し言葉や書き言葉の理解や使用、計算など、学習能力の障害。
発達障害者支援法においては、発達障害に含まれる。
喀痰吸引等研修
医療行為である、たんの吸引や経管栄養などの行為を、一定の条件の元で介護福祉士{平成27年度(平成28年1月)以降の介護福祉士国家試験合格者}や介護職員等が行うことができるようになる研修のこと。
喀痰吸引等を行う人を、認定特定行為業務従事者とも呼ばれる。
2011年(平成23年)に公布された「介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律」内で、「社会福祉士及び介護福祉士法」のたん吸引等一部改正の旨が規定され、2012年(平成24年)施行された。
平成27年度以前に介護福祉士国家試験に合格した人は、喀痰吸引等行為のそれぞれについて実地研修を修了しなければ喀痰吸引等を行うことはできない。
また、実施に当たっては研修修了以外にも、都道府県による「認定特定行為業務従事者認定証」を交付されなければなりません。
事業者も都道府県に登録事業者として認められなければならないが、計画書や報告書の作成、医師や看護職員との連携体制、安全性の確保、実施対象者(の保護者や家族)からの同意など、厳しい基準を満たす必要がある。
研修は講義と実地研修が基本カリキュラムであるが、実施可能になる喀痰吸引等の行為の種類によって分かれている。
- 第1号…喀痰吸引(口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部)
経管栄養(胃ろう又は腸ろう、経鼻) - 第2号…気管カニューレ内部喀痰吸引、経鼻経管栄養を除いた第1号の内容
- 第3号…ALS患者や重症心身障害者等への特定の人に対する、第1号の内容の中で特定の行為に特化した研修
研修は各都道府県や各都道府県が委託した研修機関で受講することができる。
看護師
医療機関や福祉施設において、医師を手助けし、病人やけが人の回復に努める人、またその国家資格。
障害福祉サービスにおいては、通院同行支援や服薬管理、衛生管理、感染症予防対策などの業務をこなす。
また、生活介護サービスにおいては、看護師の配置が必須となっている。
(非常勤職員でも可)
看護師国家資格の受験と合格により認定される。
看護に関わる養成機関、学校などでの修了が受験資格となる。
監査
社会福祉法人に対して、法令や通知などに定められた、法人として遵守すべき事項について運営実態の確認を行うことにより、適正な運営と健全な経営の確保を図ることを目的とする。
一般には指導監査と呼ばれる。
指導監査の実施主体は、都道府県、指定都市、中核都市となる。
指導監査には、一般監査と特別監査がある。
報告書類等において、法人運営に大きな問題が見られないなど、一定の条件を満たした場合においては、3年に一度の一般監査を行う。
一般監査には個々の事業所に対する施設監査がある。
特別監査とは、一般監査において、重大な問題が発覚した場合に行われる監査のこと。
指導監査と同列に、監事が法人の財産や理事の職務を調査・監査する監事監査、法人の財産目録や計算書類等を監査する会計監査人監査がある。
法人により、本監査を控え、内部監査を実施する場合もある。
監査が近づくと、ケース記録が埋まっているか、各種必要書類が揃っているか、押印抜けがないかなど、管理者を始め支援員らは遅くまで残って資料を整える(泣)。
監査人により、施設内外、設備等を見回ることもある。
利用者の日々の活動の記録、モニタリングに関わる書類、担当である委員会等の書類を揃えていれば、いち支援員としては恐れることはないはず。
間質性肺炎
主に肺を支える役割を持つ間質に炎症が起こり、咳や息切れの症状を伴う肺炎のこと。
特発性と言われる間質性肺炎は、原因不明とも言われ、治りにくい。
他に関節リウマチなど膠原病を原因とする膠原病性の間質性肺炎がある。
入所施設の齢80を超える利用者が患ったが、数日の静養ののち生還したこともあった。
感染症
空気中や食物、水などに存在する病原性を持った細菌、ウィルスが呼吸や食事、接触により体内に侵入し、増殖した結果引き起こされる疾患。
インフルエンザやノロウィルスが代表的な感染症。
施設内において発症が確認されれば、集団感染の怖れから休業などの処置を余儀なくされる場合もある。
特に入所施設やグループホームにおいては、集団感染の可能性が高く、感染した利用者を隔離しつつ、1人以上の支援員が付き添わなければならない。
手洗いうがいをしない利用者ほど感染しなかったりもする。
管理者
施設や団体などを管理・経営・運営を行う人。
障害福祉においての管理者の資格要件は配属されるサービス、各市町村条例により異なる。
- 社会福祉主事任用資格、もしくは実務経験2年以上。
- または社会福祉施設長資格認定講習修了。
出典:「管理者(施設長)の資格要件及び兼務関係」札幌市
施設長とも言われるが、主に障害者支援施設(入所施設を言う)の長を施設長と呼ぶ。
【き】
起案
イベントや外出等、担当者が計画案を作成すること。
イベントや外出等、担当者が作成した計画案をリーダーや上長に順次に回して承諾を求めること、またその書類。
上長に確認を取ろうとするも特に管理者クラスは外出することも少なくないため、起案の承諾に時間を要することがある。
回議書、稟議書とも呼ばれる。
帰省時お小遣い
障害福祉における、入所施設やグループホーム利用者は、年末年始などに帰省することがある。
その帰省時には保護者の要望により帰省時お小遣いとして担当支援員は準備しなければならない。
担当支援員の出金忘れや帰省連絡の行き違いなどにより、帰省時お小遣いを渡すことができないことがある。
帰省時お小遣いに関しては、その受け渡しの際に領収書を発行することがある。
虐待
繰り返し、または習慣的に暴力を振るったり、冷酷冷淡な接し方をすること。
障害福祉においては、虐待防止法にて、虐待の種類、虐待行為の類型が提示されている。
強度行動障害など、重度障がい者の受け入れ・支援体制の未整備、支援員の支援技術や知識不足、職員の配置などが障がい者虐待へつながる可能性がある。
虐待防止法
高齢者虐待防止法、児童虐待防止法、障害者虐待防止法がある。
障害者虐待防止法の正式名は「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」。
障害者虐待防止法は、2012年(平成24年)10月に施行され、障がい者の尊厳を守るために、虐待の禁止、及び予防と早期発見、虐待された障がい者の保護、養護者の支援等を目的とする。
また、虐待を発見した人の、通報義務を課している。
障害者虐待を受けたと思われる障害者を発見した人は「速やかに、これを市町村(又は都道府県)に通報しなければならない」
また、各都道府県や市町村の「都道府県障害者権利擁護センター」や「市町村障害者虐待防止センター」など、障害者虐待に関する通報や、虐待を受けた障害者本人からの届出の窓口が設置されている。
- 「養護者による障害者虐待」
- 「障害者福祉施設従事者等による障害者虐待」
- 「使用者による障害者虐待」
- ①身体的虐待
- ②放棄・放置(ネグレクト)
- ③心理的虐待
- ④性的虐待
- ⑤経済的虐待
キャリアパス
資格の有無や熟練の度合い、職務遂行能力、勤続年数などにより、どの程度の職位やポストにつけるのか、という基準や要件を示した人事制度。
障害福祉の現場で働く、福祉・介護職員の処遇改善を図るための福祉・介護職員処遇改善加算の算定要件。
簡単に言えば、職員の経験や技術、能力に応じて職員の給与に反映させるための仕組みの一つ。
Ⅰ:職位・職責・職務内容に応じた任用要件と賃金体系の整備
Ⅱ:資質向上のための計画を策定し、研修の実施、その機会を設ける
Ⅲ:経験もしくは資格等に応じて昇級する仕組み、または一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設ける
上記キャリアパス要件を施設が満たすことで、(国保連から)施設への報酬が上がり、結果的に職員へ還元されることを期待した。
また、福祉業界全体の技術向上や離職を留めるための施策の1つ。
給食
利用者・職員に食事を提供すること。
特に入所施設では、設置された給食設備にて調理を行い、利用者・職員に食事を提供する。
共同生活援助
➡︎グループホーム
共同生活援助事業のこと。
共同生活介護
ケアホームのこと。
➡︎グループホーム
強度行動障がい
出典:強度行動障害支援者資料 発達障害情報・支援センター 国立障害者リハビリテーションセンター
自分の体を叩いたり食べられないものを口に入れる、危険につながる飛び出しなど本人の健康を損ねる行動、他人を叩いたり物を壊す、大泣きが何時間も続くなど周囲の人のくらしに影響を及ぼす行動が、著しく高い頻度で起こるため、特別に配慮された支援が必要になっている状態のこと。
強度行動障がいのある障がい者など重度障がい者に対する手厚い支援を可能にするため、加算等の報酬によって事業所に重度障がい者への支援や支援体制の整備を促している。
また、支援者の支援技術や知識の習得を目指し、強度行動障害支援者養成研修を設置した。
強度行動障害支援者養成基礎研修
強度行動障がいに対する、支援者の支援技術や知識の習得を目指す基礎的研修。
強度行動障害支援者養成実践研修
強度行動障がいに対する、地域との連携を含めた、より綿密な支援計画の立案方法を学び、実践することを目的とした研修。
強度行動障害支援者養成基礎研修を経て受講することができる。
強迫性障害
何度も同じ行為、確認作業を行ってしまう衝動に駆られること。
自分の意思とは関係なく頭に浮かんでしまう強迫観念、
ある行為をしないではいられない強迫行為と分けられる。
不安障害の一種。強いストレスやプレッシャー、不安、緊張、疲労が原因とも言われているが、はっきりとは解明されていない。
自閉症や強度行動障害のある利用者の、こだわりや反復行為が、すぐに強迫性障害と関連付けられるものではないが、ストレスや不安がそれらの言動を助長してしまうことはあり得る。
拒薬
薬の使用・服用を拒むこと。
障害福祉サービスにおいては、サービスを利用する障がい者が処方された薬の使用・服用を拒むこともある。
使用する本人が自発的に服用できるよう支援するのも支援員の役割でもある。
金銭管理
障害福祉サービスにおいては、利用者はあらゆる理由で多かれ少なかれ金銭管理が難しいため、施設の担当者が管理することになる。
そのために、利用者の財産の着服や横領、処分により処罰されるケースもある。
利用者の口座や年金の管理、口座からの入出金等の業務を行う年金担当者や
個々の利用者のお小遣いや諸費用のために管理、入出金依伺いをする生活支援員がいる。
入所施設やグループホームの利用者に関しては、サービス利用の際、金銭管理、通帳印鑑管理のための委任状等契約を結ぶ。
ちなみに事業所は金銭管理の委任について、利用者(保護者)から手数料を取っている。
【く】
グループホーム
少人数で共同生活を営む施設、または住居のこと。共同生活援助のこと。
障害福祉サービスにおいては、障がい者などの利用者が主に夜間や休日、相談・家事・入浴・食事・排泄など日常生活上の援助を受けられる居住系のサービスのこと。
包括型と外部サービス利用型がある。
包括型は、生活支援員を配置し、入浴・食事・排泄などの生活支援を行う。
外部サービス利用型は、入浴支援などの生活支援を必要に応じてホームヘルパー等の居宅介護サービスを外部に委託するため、グループホームに生活支援員の配置は不要。
平成26年4月障害者総合支援法の施行に伴い、
グループホーム(共同生活援助)とケアホーム(共同生活介護)は
グループホーム(共同生活援助)一元化された。
簡単に言えば、
ケアホーム=現在の包括型
以前のグループホーム=現在の外部サービス利用型
利用者の高齢化や重度化に伴い、以前のグループホームでも生活支援の必要が増加してきたため、生活支援に重点を置くケアホームをグループホームに取り込んだ形。
支援員の他に家事を援助する世話人が配置される。
サービス利用対象は、障がいを持つ人。
(身体障害者にあっては、65歳未満の者又は65歳に達する日の前日までに障害福祉サービス若しくはこれに準ずるものを利用したことがある者に限る。)
車椅子
歩行が困難な、足腰の不自由な人の移動に使われる、椅子に車を付けた福祉用具。
車両ではなく、歩行者として扱われる。
電動車椅子、自走式(自操式)、介助用、リクライニング式などがある。
補装具費支給制度により利用する障がい者の負担を減らすことができる。
グレープフルーツ禁止
障害福祉サービスを利用する障がい者にグレープフルーツ禁止が多いのは、服薬(一部医薬品)との相互作用に影響するため。
グレープフルーツの成分が、薬の効きすぎや頭痛、めまい、血圧低下など副作用を招くとされる。
フルーツによるアレルギー反応とは別物。
グレ禁と省略されて呼ばれることもある。
グレ禁
➡︎グレープフルーツ禁止
筋ジストロフィー
骨格筋の壊死と再生を主とする遺伝性筋疾患の総称。
指定難病の1つ。
運動機能障害が主であるが、それ以外にも様々な機能障害・合併症が見られ、拘縮・変形、呼吸機能障害、心筋障害、嚥下機能障害、眼症状、難聴、等の疾患ごとに特徴がある。
筋ジストロフィーは総称であり、疾患ごとに疾患名も異なる。
そのために、支援する側としても、外傷や骨折を防ぐためのヘッドギアやプロテクターの装着や施設環境整備、呼吸器管理や喀痰吸引など、疾患ごとの介助や支援が必要となる。
【け】
ケアマネジャー
介護保険制度におけるケアマネジメント業務を行う専門職、またその資格のこと。
介護サービス計画(ケアプラン)の作成と評価、情報提供、連絡調整、介護相談等の業務を行う。
また、介護保険法施行規則の一部改正により、受験要件の見直しが行われ、2015年(平成27年)2月より適用されました。
出典:「介護支援専門員(ケアマネジャー)」厚生労働省
受験要件見直し後の経過措置も終了した2018年以降は、保健医療福祉分野(医師、看護師、社会福祉士、介護福祉士等)の国家資格を所有して直接業務に携わった期間が5年以上、
もしくは、特定の相談援助業務に携わった期間が5年以上である者などが、介護支援専門員実務研修受講試験を受験することができます。
介護支援専門員実務研修受講試験及び介護支援専門員実務研修の実施主体は各都道府県になります。
傾聴
耳を傾けて注意深く聴くこと。
障害福祉において、サービスを利用する障がい者を支援するためのコミュニケーション技術の一つ。
特に障がい者施設の利用者においては、うまく話せない人も多いため、相手の心の動きを読み取ることが重要です。
単語の羅列やジェスチャー、わずかな表情の変化などを時間を掛けて聴くことで、相手の要求を読み取ることができるのです。
それが話す本人の自己表現力にも繋がっていきます。
また、傾聴や受容が支援員と利用者の信頼関係の構築にも役に立ちます。
利用者にこの支援員には何も通じないと思わせてしまっては、支援もはかどりません。
基本的人権の尊重という意味でも、傾聴による利用者に対する理解や共感が虐待を抑止するはず…。
ケース
場合、事例、問題、立場、状態の意。
障害福祉サービスにおいては、利用する障がい者個別の状態や問題のこと。または、それを抱えた人のことを指す。
ケース会議
障害福祉サービスにおいては、問題を抱えた利用者に対する、支援体制や支援方法などについて話し合う場のこと。
その利用者の支援について、チームにおける意見の出し合いや周知を図る目的で行う。
ケース記録
障害福祉サービスにおいては、サービスを利用した障がい者一人ひとりの(1日の)記録のこと。
アセスメントシートやフェイスシートなどを含んでケース記録とする場合もある。
生活介護サービスなど、各サービスごとで記録される日誌とは異なる。
主に、パソコンの記録専用ソフトに入力して記録する。
打ち込みとも言われる。
1日の記録をその日のうちに記録を終わらせず後回しにしていると、監査前などで大変な目に合うこと請け合い。
【こ】
口腔ケア
口腔体操
行動障害
自分や他人に不利益を与える行為。
不安や不快感、要求が自傷や他害といった形ででてきたものとされる。
5S
整理・整頓・清掃・清潔・躾をローマ字した際の頭文字のSを取った5つのこと。
特に製造業の職場において、生産活動やその他業務の効率化と改善、その状態の維持を図る目的で掲げられるスローガン。
躾を習慣とすることもある。
5Sを専門とするコンサルティング企業もある。
3K(きつい、きたない、きけん)とも言われる障がい者施設においても、施設内の衛生面や安全性の改善と維持のために5Sコンサルタントを導入する法人もある。
誤嚥性肺炎
飲食物等が気管に侵入して起こる肺炎のこと。
反射神経の衰えにより高齢者は誤嚥性肺炎を起こしやすいと言われる。
口腔内ケアや嚥下体操により、誤嚥を防ぐ効果があるとされる。
国連障害者年
国連・障害者の十年
こだわり
何かにとらわれて気にしてしまうこと。
障害福祉サービスにおいては、特に自閉症や発達障害を持つ人に現れる性質。
反復行動、常同行動とも言われる。
個別支援
障害福祉サービスにおいて、サービスを利用する障がい者一人ひとりに対して支援を行なうこと。
施設内で班などの単位で活動している中でも、排泄支援などで個別支援を余儀なくされ、そのグループから離脱せざるを得ない場面も多く見られる。
長時間の離脱の場合、残った職員で班活動を回さなければならず、職員の負担は大きい。
そのため個別支援を見越した職員配置が必要と考える。
また、班などのグループ活動が苦手な利用者に関しては、個別の支援が前提となる。
個別支援会議
障害福祉サービスにおいて、サービスを利用する障がい者にとってふさわしい支援を検討するために設けられた会議のこと。
利用者本人やその家族、担当支援員、サービス管理責任者などが参加し、利用する事業所における、支援の見直しやアセスメント (再評価・検討)を行なう。
また、相談支援専門員らによるサービス担当者会議を個別支援会議と呼ぶ自治体もある。
個別支援計画
障害福祉サービスにおいて、事業所のサービス管理責任者(支援員)による、サービスを利用する障がい者や家族の意向やニーズをアセスメント(評価・査定)した上で作成される、その利用者に適したサービス内容等の計画書のこと。
個別支援会議によって参考される。
個別支援計画書の様式は、法人により異なる。
一定のモニタリング期間をののちにアセスメント(再査定)され、更新・作成される。
誤薬
誤った量や種類の薬を使用すること。
障害福祉サービスにおいては、薬の使用・服用は服用者が自ら使用することが原則となっているが、障がい者によっては自ら管理・服用することができないことも多々ある。
薬の管理・使用についての支援は十分に注意を払わなければならない。
もし誤薬が発見された時は、速やかに処方した主治医、または管理者や看護師に報告し、相談すること。
コンプライアンス
法律や規則を守ること。法令遵守。
決まりごとを守るように作られる決まりごとに、定款(ていかん)や約款(やっかん)がある。
- 定款…法人などの組織運営の決まりごと。
- 約款…組織(主に保険会社)と個人間の契約に関わる決まりごと。
また、一連の業務を正しく遂行するためのマニュアルが作成されることもある。
社会福祉法人を含む組織において、不祥事や不正の発覚が、社会的地位や信頼を著しく失墜させる原因になり得ることから、昨今は特にコンプライアンスに敏感になっている。
障害福祉サービスにおいても、特に虐待が社会的関心事になっていることもあり、利用者やその家族、地域の社会的役割を再認識しながら健全な運営のためにコンプライアンス体制を整えなければならない。
単に規則を守るというより、倫理やモラルといった観点から不祥事や不正を未然に防ぐ、という意味合いが強いように思われる。
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