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医療行為だけじゃない!看護師の障がい者施設での仕事の全て

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看護師と施設のマッチング

失禁や………、便失禁…………………、

かすり傷やら出血やら、咳やら高熱やらインフルエンザやら無断外出やら、

障がい者施設で数年働いていればもう慣れたもの。

施設利用者である障がい者の方々(以下、利用者)は、病院や高齢者施設と違い、基本的にみなさん活発です。

病気でも怪我でもない、衰弱もしていないからここにいるんです。

だから………………、毎日何かが起きるんです!

今日は何をねだってくるかな?今日も服を脱いじゃうのかな?

何を投げて壊しちゃうのかな?昨日と同じ話を聴かされるのかな?

今日の調子はどうだろう?

そんな毎日を障がい者と過ごしているうちに、

〜なんで利用者に仕事の愚痴をこぼしてるんだろう…
〜何かにつけて手を握ってくるけど、すごくあったかいな…
〜なんでこんなに力の入ってない、しわくちゃな笑顔ができるのか…
〜落ち着くなぁ、この居室…

ふと気づくと。。。。。、

自分の感覚が麻痺してきたのか、はたまた研ぎ澄まされたせいなのか、
(激務の後遺症か⁉︎)

利用者に癒しを求めている自分がいるのです。

終わりのない話を聴かされ、しつこくねだられ、忙しいときに限ってオイタをする。

仕事を辞めると、これが…、

頼ってくれたんだ、他に頼る人がいないんだな…

こんな自分にも、ためらうことなく話しかけてくれたんだな…

どうしてもっとこうしてあげられなかったのだろう…

もっと話を聴いてあげれば良かったのに…

何を訴えたかったのかな………………

もう会えないとなったら、…辛くなる。

そんな、そんな仕事なのです。

虐待が発生してしまうような、3K(きつい、きたない、きけん)と言われるような仕事ですから実際はそんな甘いものではありません。

中毒性がある仕事、と言ってしまう僕は病んでいるだけ(笑)かもしれませんが、

人って結局人の温かみを欲する生き物なんじゃないですかねー。

目次

障がい者施設での看護師の具体的な仕事

看護師の象徴

そんな悩ましい苦しさを親身になって聴いてくれるのが看護師の役割…

ではありません(笑)

いろんな個性を持った利用者たちの体調管理など、

健康を支えるのが看護師の基本的な役割です。

ですが、その仕事は多岐にわたり、

かつ、病院や高齢者施設とはひと味もふた味も異なる、

医療行為だけではない独特な仕事内容となっています。

特に、病院での人間関係や患者との「永遠の別れ」に疲れた方にはおすすめの仕事なんですね。

🔻主な仕事内容一覧🔻

どうです?

たったこれだけです(笑)

逆に言えば、これが全てと言っても過言ではありません。

施設によっても、あるいは常勤・非常勤、正看護師・准看護師によっても変わるでしょうが、

実際はこれより少ない仕事量と思ってください。

では、具体的に見ていきます。

利用者健康管理

看護師の仕事はこの一言に集約されていると言っても過言ではありません。

全般的に、

  • 健康・衛生管理
  • 病気等の予防
  • 医学的見地からの身体機能・体力の強化・維持

などが挙げられます。

ときには看護師の範疇を超えた事柄について助言を求められることもありますが、

看護師でない職員にはどこまでが看護師の仕事であるか、

どこまで知識があるのか、

正直判断がつきにくいところであるのです。

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利用者支援

障がい者施設の職員の全般的な仕事は以下のような「利用者支援」です。

利用者支援とは

障がい者施設を利用する障がい者に対して、その計画や要望に応じて、主に自立に向けて支え助けること。

専門職である看護師も一般の「生活支援員」と同等に、資格がなくとも出来るような業務をこなすことを強いられることが多々あります。

生活支援員とは

主に食事や入浴、排泄などの日常生活上の支援を行い、その他身体機能・生活能力の維持・向上に向けた支援、創作・生産活動を支援する職員のこと。

無資格でも採用されるが、利用者とはより密接に関わるために利用者にとってはなくてはならない存在。

看護師が特定のグループ・班に配属された場合、何人かの利用者の担当職員となることがあります。

障がい福祉事業においては、利用者1人1人について個別に支援の計画を立てなければなりません。

個別支援計画

個性豊かなそれぞれの利用者の自立等を目的として目標を立て、その目標に向けてどのような支援を行なっていくのか、具体的に作成していきます。

モニタリング

概ね6ヶ月ごとに行うモニタリングとは、個別支援計画書を基に行ったそれまでの6ヶ月での支援の成果や反省点を踏まえ、

今後の6ヶ月の新たな支援や方法、改善点などを書面にまとめ、利用者本人と保護者に伝えることです。

モニタリング面談などと呼ばれ、保護者に連絡し、日程調整を行い、面談して計画案を了承してもらう必要があります。

  • 利用者支援全般
  • 個別支援計画
  • モニタリング

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介助業務

看護師は比較的重度の利用者のいるグループに配属されることが多いようです。

介助と言ってしまっては曖昧ですが、その範囲は広く、

利用者の移乗や移動の基本的な介助から、薬や検診拒否時の介助などがあります。

障がい者施設には介護系資格を持った職員も多くいますから、

無理をせずに他の職員にも協力を仰いでくださいね🙇‍♂️

  • 移動・移乗介助
  • 食事介助
  • 入浴介助
  • 排泄介助
  • 服薬介助

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服薬管理

利用者の多くは、毎日服薬しています。

内部障害に応じた内服薬から水虫などの外用薬まで、

さまざまな薬を扱わなくてはなりません。

そして、何より個人で管理・服用することができる利用者は少ないので、

しっかり飲んだか、誤薬や二重服薬はないか、

他の職員と連携しつつ見極めなければなりません。

より具体的には、

  • 次の日(又は数日分)の朝・昼・夕・就寝前の内服薬、
    その他外用薬の準備・配薬

  • 通院後の薬の増減の周知
  • 誤薬・二重服薬防止策
  • 利用者による服薬拒否時の対応、内服支援
  • 摂食・嚥下障害利用者への内服支援
  • 座薬挿入支援

などが挙げられます。

ちなみに僕が勤めていた入所施設では、服薬支援の際、

職員が声を出して服薬させたことを周囲に知らせることで

誤薬や二重服薬を防止していまいした。

また、服薬に関して、自分で飲むことができる利用者には自分で服薬するように促していました。

職員が半ば強制的に飲ませている(ように見える)からです。

これは虐待や自由意思の尊重を考慮してのことです。

障がい者施設に勤めたことのない人には不思議に思われるかもしれませんが、

施設内部は想像以上に騒がしく、また、業務の多さから

利用者の自尊心や自立を蔑(ナイガシ)ろにしてしまう状況が多いのです。

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通院(同行・日程調整)

これも主な看護師の業務の1つですね。

利用者の多くが服薬しているということは、その分お医者さんにかかっているということです。

精神科や心療内科、泌尿器科、皮膚科、耳鼻科、リハビリテーション科、腎臓内科などなど、

利用者それぞれの症状に応じて定期通院を行なっています。

交通手段や金銭管理、意思疎通を考えても利用者1人で行かせることはほとんどないと言っていいでしょう。

定期通院は、だいたい1ヶ月〜3ヶ月に一回と言ったところでしょうか。

施設の利用者が多ければ多いほど定期通院の頻度も多いわけですから、

通院スケジュール管理も看護師の重要な業務です。

かと言って、少ない看護師がその全ての通院に同行しなければならないわけではありません。

1人1人の利用者に密に接しているのは、担当支援員であるはずですから、

医学的・医療的見解が必要な場合や、重篤な病気である場合以外の定期通院では、

その利用者の担当支援員が同行することで十分であると思います。

具体的な仕事としては、

  • 定期通院の予約日の決定
  • 定期通院時同行者の決定
  • 処方箋→薬の受け取り
  • 通院時の医療費の準備
  • 診察券・保険証の準備・管理
  • 緊急時通院対応
  • 通院記録・記録表(ファイル)管理

また、突発的に通院を余儀なくされることも少なくありません。

高熱や嘔吐、下痢などの症状は感染力の強い感染症である可能性もありますから、

通院の判断や処置方法等について、助言を求められることもあります。

また、命に関わる症状が現れた場合の緊急時マニュアルの作成、

緊急時連絡網(主治医や保護者、上長)一覧の作成を任されることもあります。

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バイタルチェック

バイタルサインとも呼ばれる、人が生きている兆候を日々記録して安定した体調管理を行います。

主には体温や血圧、脈拍の記録ですが、

利用者によっては、血中酸素濃度を計ったり、排尿・排便頻度を記録する必要があります。

  • 体温測定
  • 血圧・脈拍測定
  • 血中酸素濃度測定(パルスオキシメーター)
  • 各測定器具の購入・管理
  • 排尿・排便頻度の記録
  • 各種バイタルチェック表(ファイル)の管理
  • 異常時対応・処置・助言

日々の測定・記録に関しては、看護師だけの仕事というわけではありませんので、

一般の職員(生活支援員)と協力していきましょう。

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記録(打ち込み)

医療・福祉分野では、施設利用者1人1人について日々記録しなければなりません。

記録は、

  • 利用者へのサービスの適正化のため、
  • 法人としての運営公正化のため、
  • 職員同士の利用者状況の引き継ぎのため、
  • 事件や事故の際の証拠のため、

などの理由で義務化されています。

毎日利用者の活動を記録するのが生活支援員であれば、

看護状況や通院を記録するのが看護師の仕事となります。

配属されるグループや班によっては、

支援員の1人として、利用者の日々の活動を記録することもあります。

現在ではパソコンの記録用ソフトを使用して記録することが多いので、打ち込みと呼ばれることがあります。

また、医療・健康に関わる利用者個人の情報(健康調査表等)をまとめることも必要になることがあります。

施設によって異なるかもしれませんが、

利用者個人の契約書や支援計画書などをまとめた「利用者台帳」というものとは別に、

利用者一人ひとりの情報をまとめた「看護ファイル」を作成する場合もあるようです。

それは、緊急連絡先から主治医の連絡先、既往歴や処方薬、通院歴、保険証の写しなどの情報が必要です。

利用者に保護者がいる場合には、保護者にその記入と提出をお願いすることもできます。

主な仕事は、

  • 看護の記録・記録表(ファイル)管理
  • 通院の記録・記録表(ファイル)管理
  • 利用者個人看護ファイルの作成

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応急処置

前述したように施設利用者の多くは障がいはあるものの、

基本的に病人でも怪我人でもありません。

元気いっぱいであるからこそ、生傷が絶えません(笑)

軽度の傷や微熱などについても、処置や助言を求められることもあります。

また、怪我や病気が発見された際にはその報告書を作成しなければなりません。

  • 救急セットの購入・管理
  • 応急処置
  • 事故(傷病)報告書・記録(ファイル)管理

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体重測定

これも必ずしも看護師が行わなければならないわけではないのですが、

記録や記録表の管理を含め、利用者の体調管理の1つとして看護師の仕事であります。

特に増減の激しい利用者を除き、1ヶ月に1回ほど、

定期的に利用者の体重を測定しています。

  • 体重計の管理
  • 体重測定時の介助・支援
  • 体重測定記録・記録(ファイル)管理
  • 体重増減時の支援方針の決定・助言

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看護委員会

大きい施設や法人では、看護師同士が各検討事項について話し合う委員会のような集まりがあります。

施設や利用者、職員の健康や衛生に関わる事柄について話し合う場です。

出席はもちろん、委員長となれば委員会開催・実施についての諸々の事務作業が待っています!

  • 委員会の出席
  • 各検討事項についての意見 ・考え
  • 年間活動計画の作成

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看護師年間活動計画

看護師においては、その専門性から独自の年間計画を作成しなければなりません。

後述する健康診断等の検診や予防注射、

感染症等の予防・対応の研修などなど、

大まかに計画し、提出しなければならないようです。

  • 看護師年間活動計画の作成

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看護マニュアル

障がい者施設の看護師は職員全体の少数であることがほとんどなので、

看護分野、医療・健康・衛生に関わる知識や経験は看護師に頼らざるを得ません。

そこで、医療行為を除く一部処置・対応について、

一般支援員でも対応できるように各種マニュアルの作成を頼まれることもあるでしょう。

  • インフルエンザ予防・対策マニュアル
  • ノロウィルス予防・対策マニュアル
  • 熱中症予防・対策マニュアル
  • 緊急時対応マニュアル(意識障害、心肺停止等)
  • 緊急時連絡網(主治医・保護者・上長)作成

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研修

先程の各種マニュアル作成に伴い、一般職員に向けてその実践研修を開催する場合があります。

実施に当たっては、看護師は参加だけではなく研修実施計画から始まりその準備、進行もしていかなければなりません。

  • 研修実施計画(日程・会場・準備物・予算)の作成
  • 研修告知・周知
  • 研修開催準備
  • 研修参加
  • 研修主導

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感染症対策

感染症予防と対策のマニュアル作成と同時に、

職員や利用者に対して感染症予防のための実践を促していかなければなりません。

利用者だけではなく、職員においても手洗いやうがいの基本的な予防に関して無関心であるように思います。

風邪を引いたからといってじっとしていられる利用者は少ないので、

虐待に当たらない程度に隔離できる方法も考えなければなりません。

  • 手洗い用石鹸・ハンドソープの購入・管理
  • 手洗い・うがいの励行・周知・啓蒙
  • 手洗い・うがいの習慣化のための利用者支援
  • 消毒液の購入・管理
    (次亜塩素酸ナトリウム、アルコール)

  • 手指・設備(手すりやドアノブなど)の消毒やその励行・周知

ちなみにマスクやビニール手袋など、特殊な薬剤以外は一般の職員が購入・管理しているようです。

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医務室(静養室)管理

障がい福祉事業の中で、生活介護事業においては看護師の配置が義務付けられています。

そして、施設には医務室(静養室)が設置されていることもあります。

医務室においては、利用者等が静養できるベッドや医薬品、看護業務に必要な備品が保管されています。

特に利用者が自由に手にしたり口にしないように医薬品や薬剤等は厳重に管理しなければなりません。

また、各測定器具や薬剤等の備品は看護師が管理し、

壊れた場合や足りない場合にはその購入を手配しなければなりません。

  • 医務室の管理
  • 医薬品・薬剤の管理、補充
  • 各測定器具の管理・購入

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嘱託医との連携・相談

看護師と同様に生活介護事業においては、医師の配置も義務化されています。
(例外あり)

ただ、常駐する必要はなく、現在は法制上嘱託医でまかなうことで良しとされています。

生活介護事業を行う各施設は、各地域において医師と嘱託契約しているものと思います。

嘱託医の専門性や病院の規模によって、各種検診や予防接種等を依頼することもあるようです。

看護師は各施設の嘱託医と連携し、ときには相談します。

五 生活介護
1 人員に関する基準
(1)医師(基準第 78 条第1項第1号)
日常生活上の健康管理及び療養上の指導を行う医師を、指定生活介護の利用者の障害の特性等に応じて必要数を配置しなければならないものであること。

なお、この場合の「必要数を配置」とは、嘱託医を確保することをもって、これを満たすものとして取り扱うことも差し支えない

また、指定生活介護事業所において看護師等による利用者の健康状態の把握や健康相談等が実施され、必要に応じて医療機関への通院等により対応することが可能な場合に限り、医師を配置しない取扱いとすることができることとする

出典:「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく 指定障害福祉サービスの事業等の人員、
設備及び運営に関する基準について( 平成18年12月6日障発第1206001号厚生労働省社会・ 援護局障害保健福祉 部長通知)【新旧対照】
厚生労働省社会・ 援護局障害保健福祉(*太字筆者)
  • 嘱託医との連携・相談
  • 嘱託医との緊急連絡体制の確立
  • 検診・予防接種等の依頼

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予防接種計画

障がい者施設では11月頃にインフルエンザ予防接種を行なっています。

計画案を作成して、嘱託医や関係機関に連絡し、依頼、日程調整も看護師の仕事となるでしょう。

また、当日はどのような流れで予防接種を行うのか、想定しておくといいかも。

施設や法人の規模によって、自分が配属されたグループや班を超えた範囲の、大人数の予防接種となることがあるんですね。

職員、車椅子利用者、拒否反応を示す利用者など、

効率よく予防接種が受けられるよう考えていきましょう。

特に拒否反応を示す利用者には、他の職員にも協力してもらいながら介助しなければなりませんから、

リーダーや上長と相談しながら、どの利用者には誰が付き添うのか、職員を先に受けさせるのかどうかなど、決めていきます。

  • 予防接種計画案作成
  • 嘱託医または協力関係機関への連絡、依頼、日程調整
  • 予防接種日時の告知、通知、周知
  • 予防接種当日の流れの把握
  • 利用者への介助支援
  • 予防接種費用の負担の確認
    (施設負担、実費負担、控除の有無)

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健康診断計画

障がい者施設では、年に1〜2回、健康診断を行います。

これも予防接種と同じように、計画から実施当日まで看護師が重要な役割を担います。

基本的には予防接種時と同じような業務になりますが、特に注意が必要な項目があります。

検尿

基本的には当日の朝か少なくとも前日の尿を採る必要がありますが、

紙オムツ着用利用者など、採尿が困難な利用者もいます。

保護者や職員(あるいは入所施設の夜勤職員)に助言する必要も出てきます。

検便

これも検尿と同じく、採便が困難な利用者が出てきます。

検便については数日の猶予があるものの、2回分採らなければならなかったりしますよね。

S字結腸や腸閉塞(またはその薬)等により、便秘(硬便)や軟便(水様便)の利用者も少なからずいます。

また、トイレが自立している利用者でも、自分で採ることができないのに職員に伝えずに排便してしまったりと、

保護者や職員同士の連携が必須です。

採血

予防接種と同じく、拒否反応を示す利用者には介助者が必要です。

車椅子利用者

レントゲンや心電図など、衣服を一部脱がなければならない検診の場合、

身体の拘縮や彎曲、移乗の必要などにより、介助者が2人以上必要なことがあります。

職員配置や時間配分(検診順)に、より気を配らなければなりません。

  • 健康診断計画案作成
  • 嘱託医または協力関係機関への連絡、依頼、日程調整
  • 健康診断日時の告知、通知、周知
  • 検尿・検便の告知、周知
  • 検尿・検便キットの配布
  • 検尿・検便困難利用者の介助支援、職員への助言
  • 健康診断当日の流れの把握
  • 利用者への介助支援
  • 健康診断費用の負担の確認
    (施設負担、実費負担、控除の有無)

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歯科検診計画

施設やサービスにより、歯科検診を実施することもあります。

利用者の中にはきちんとした歯磨きができないことも多く、若くして入れ歯の利用者もいます。

  • 歯科検診計画案の作成
  • 協力関係医療機関への連絡、依頼、日程調整
  • 歯科検診日時の告知、周知
  • 歯科検診当日の流れの把握
  • 利用者への介助支援
  • 歯科検診費用の負担の確認(施設負担、実費負担、控除の有無)

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医療行為

施設での点滴

看護師は障がい者施設の中でも、比較的重度の利用者が所属するグループ・班に配属されます。

医療行為が必要となる、「重症心身障がい」や糖尿病の利用者もいます。

重症心身障がい者とは

重度の肢体不自由と重度の知的障がいとが重複した状態の障がい者のこと。

重度心身障がい者のこと。

短く、重心ジュウシンとも呼ばれる。

例えばどんな医療行為が必要なんでしょうか。

生活介護サービスにおける医療行為

医療的ケアの内訳 全国社会福祉協議会

出典:「生活介護に係る報酬・基準について《論点等》」第12回 障害福祉サービス等報酬改定検討チーム 資料1
参考リンク

障がい者施設での主な医療行為を挙げてみます。

経管栄養・たん吸引

これらの行為に関しては、平成24年4月の社会福祉士法及び介護福祉士法の一部改正により、

一定の研修を修了した介護職員や
平成28年1月以降の介護福祉士国家試験合格者は

行うことができるようになりました。

参考リンク

褥瘡処置(・予防、皮膚ケア)

障がい者施設においては医療行為である褥瘡処置を行うことは少ないと思われ、

どちらかといえば褥瘡予防や皮膚ケアが主な業務となります。

車椅子に座ったまま身体を自分で動かすことのできない重症心身障がい者や、

ベッドで過ごすことの多い高齢の利用者は褥瘡の危険が伴います。

僕が勤めている間には、関わる利用者に褥瘡ができてしまうことはありませんでしたが、

重度心身障がい者や高齢利用者の体勢を定時に動かして、褥瘡を予防することはありました。

利用者の大部分は自分で身体を動かすことができるので、

障がい者施設職員や介護系資格取得者でも褥瘡予防に関してはその知識や経験は浅いと思われ、

適切に指導することも看護師の役目となります。

また、ベッドやマットレスなどの介護用品の使用・購入についても助言を求められることがあります。

導尿

医療行為ではありますが、自己導尿の補助のための体位保持やカテーテル準備は、一般介護職員でも可能です。

ですがこれも知らない職員が多くいます。

経験として貴重であるはずなので積極的に協力し合いましょう。

摘便

頸髄損傷や直腸機能障がいのある利用者に摘便を行うことがあります。

また、利用者の中にはうまく排便できずに自分の手で取り出そうとしてしまうことがあるので、

摘便によって硬い便を取り除かなければなりません。

インシュリン注射(血糖値測定)

糖尿病の利用者もいます。

インシュリン注射や血糖値測定を自分で行える利用者は少ないです。

家族や保護者と止むを得ず離れて入所施設などに暮らす糖尿病利用者においては、

看護師が全面的にサポートしなければなりません。

また、利用者によっては、「盗食」を常習される糖尿病の方もいますから十分に注意が必要です。

盗食とは

物を盗んで食べること。人に隠れてひそかに物を食べること。

トウショク、ヌスミグイ、誤食など施設により言い方、呼び方は異なる。

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整容

障がい者施設においては、主に身体整容のことを指します。

爪切りや耳かき・歯磨きは、利用者に対して施設職員が支援、介助していますが、

自分でできる利用者でも、十分とは言えません。

利用者の能力に合わせて適切に支援し、最後は職員が仕上げを行います。

毎日行うことのない爪切りや耳かきなどは比較的おろそかになりがちで、しかも嫌がる利用者も少なくありません。

危険も伴いますので、職員間で連携が必要となります。

看護師は、爪切りや耳かき、歯磨きの方法や支援について提案、助言していきます。

  • 爪切り、耳かき、歯磨きの支援・介助
  • 爪切り、耳かき、歯磨き(支援)方法の提案・助言

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施設衛生管理

感染症予防に伴い、施設の衛生管理を任されることもあります。

広くは施設内清掃について助言する場合があります。

  • 感染症予防に伴う衛生管理
  • 感染症の感染拡大防止のための衛生管理
  • 施設内清掃についての提案・助言

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職員健康管理

施設での健康診断を職員に受診させながら、その結果によっては再検査を勧めなければなりません。

施設職員にとって健康についての身近な相談相手は何と言っても看護師なのです。

看護師にとっては迷惑な?話ですが、些細で基本的な疑問をぶつけられるでしょう。

  • 職員への健康診断受診の告知、周知、推奨
  • 職員への健康・医療全般についての助言

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施設旅行同行

施設の大きなイベントとして、旅行があります。

施設によって旅行先や旅行期間は異なりますが、海外への旅行を実施する施設もあります。

看護師は、日帰りにしろ泊まりにしろ必ず同行を求められると思います。

旅行中の利用者の体調不良に対応し、その処置について提案、助言、実行することになります。

また、旅行に関わる一連の業務には担当が割り振られると思いますが、

看護師は服薬や救急セット、「失禁セット」、参加利用者の保険証の写しの準備を任されることがあります。

失禁セット

利用者との外出時、失禁(便失禁、嘔吐など)の処理のための道具一式のこと。

施設により呼び方は異なる。

失禁シートや使い捨てビニール手袋、ビニール袋、紙おむつ、紙おむつ用パッド、失禁用タオル、着替えなどがある。

  • 旅行の同行
  • 緊急時(体調不良等)対応
  • 参加利用者の服薬の準備
  • 救急セット、保険証の写し等の準備

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保護者連携・相談

利用者の体調不良や体調変化、怪我や病気、処方薬の変更等によって、

保護者に連絡しなければならない時があります。

主にはその利用者の担当職員が行うことになりますが、

より医学的、専門的な領域の話になれば、看護師が保護者と連携を取ることもあります。

場合によっては、時には、まれには、看護師が代表として保護者に謝罪しなければならない状況もあり得ます⤵︎

  • 保護者への連絡
  • 健康・医療に関わる利用者支援、介助についての保護者への相談・伝達

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専門職員連携・相談

障がい者施設には看護師以外にも専門職員が存在します。

利用者へのより良い支援のためには、それぞれの専門職の垣根を超えて連携する必要が出てきます。

理学療法士(PT)

理学療法士(Physical Therapist)とは、

身体に障がいを持つ利用者に対して、理学療法に基づいた治療体操や運動等を行わせて主に基本的動作能力の回復を図る職種。

利用者の日々の生活をサポートしている看護師や生活支援員は、その利用者の自立に向けて何が必要なのかを把握しているはずです。

身体機能の回復や維持、強化について、より具体的に理学療法士と連携していきます。

また、日常生活動作について、「自助具」使用を提案していくことも必要となります。

自助具とは

日常生活の動作について、できるだけ自分自身で行えるように特別に工夫された道具。

箸やスプーン、お皿、、歯ブラシ、爪切りなどがある。

人それぞれの微細な動きの違いのために、特注(自作)することも多い。

作業療法士(OT)

作業療法士(Occupational Therapist)とは、

身体または精神に障がいを持つ利用者に対して、手芸や工作などの作業を行わせることで主に応用的動作能力または社会的適用能力の回復を図る職種。

障がい者施設の中でも、社会的活動(作業)は重要な日課の1つです。

便宜上(!)施設利用者は、ある一定のグループ(班)に収められますが、
特に生活介護サービスにおいては、集団行動を苦手とする利用者が多いです。

それぞれの個性に応じてできること、できそうなことを模索していきます。

栄養士

栄養士とは、

栄養学に基づいた栄養バランスの取れた献立の作成や調理方法の改善・提案等、栄養面から健康的食生活を支える職種。

通所支援においては、昼食を、
入所支援においては、朝・昼・夕食を

外注、もしくは内部生産でお弁当や給食を提供しています。

栄養バランスの取れた食事を提供することは当然ですが、

利用者においては、偏食や入れ歯、摂食障がい、経管栄養などさまざまな特性を持っています。

特に食事量や「食形態」などについて連携する必要が出てくると思います。

食形態とは

摂食・嚥下機能に応じて食事を細かくしたりとろみを付けたりすること。

常食を基本として、刻み食やとろみ食、一口大、ミキサー食などがある。

言語聴覚士(ST)

言語聴覚士(Speech Therapist)とは、

音声機能、言語機能、摂食・嚥下機能または聴覚に障がいを持つ利用者に対して、言語訓練等及びこれに必要な検査・助言・指導等を行い、その機能の維持・向上を図る職種。

義肢装具士

義肢装具士とは、

手や足の一部、またはその全てを失った人などに、義肢や装具を用いて日常生活を送る上で必要な機能の改善を図る職種。

義肢装具士は、障がい者施設ではなく義肢製作所や病院等に勤務することがほとんどであるものの、

身体障がいを持つ利用者の多くいる施設では、特に密接に関わることが多い。

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障がい者施設で働く前に知っておきたい知識

看護の象徴

初めて障がい者施設で働く看護師は、どういう施設で、どういう利用者がいるのか、など何かと心配や不安が尽きないものです。

ここでは働く前に知っておきたいことをまとめました。

看護師の配置が定められた各障がい福祉サービス(施設)

障がい福祉サービスの一部においては、従業者として看護師の配置基準も定められています。

病院等の医療機関でも医師や看護師の配置基準があるように、障がい施設でもその基準が存在するんですね。

特に、「常勤」、「常勤換算方式(方法)」の考え方は知っていて損はないと思います。

常勤とは

施設での勤務時間が、その施設において定められている常勤の従業者が勤務すべき時間数 (週32時間を下回る場合は週32時間を基本とする。)に達していること。

常勤換算方式(方法)とは

施設の職員の勤務延べ時間数をその施設において常勤として職員が勤務すべき時間数で除することにより、その施設の職員の人数を常勤の職員の人数に換算する方法のこと。

障がい福祉サービスにおける詳しい配置基準についてはこちらを参考に⬇︎

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また、法律に基づいた国が行う障がい者に対するサービスには、「障がい福祉サービス」があります。

障がい福祉サービスについて

障害福祉サービス等の体系

出典:「障害福祉サービスの概要」厚生労働省

障がい福祉サービスの各サービス内容についてはこちらから⬇︎

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障がい者施設の種類について【働き方別】 障がい者施設にはどんな種類があるかご存知でしょうか?そしてどんな仕事があるのか知っていますか?働く職員の視点から障がい者施設やサービスを分かりやすく分類してみました。

なぜ配置基準の理解が必要かというと、

その施設の経営状況や職員・利用者の充実度が測れるからです。

基準以上の職員配置により職員1人1人の業務負担の軽減と質の高い利用者支援に繋がりますし、(逆に多すぎても怠惰になりがち⤵️)

基準に満たない職員配置では、業務量に対する職員の不満も大きく、結果退職してしまい、

人不足で利用者への支援もままならない、利用者職員双方にとって魅力のない施設へと成り下がります。

また、特定の職員配置によって、加算減算という施設への報酬(収入)の仕組みも存在することから、

職員配置が施設の経営にとって死活問題となり得るわけです。

職員配置基準の理解は、その施設の良し悪しの1つの判断材料になるんですね。


現在、障がい者総合支援法または児童福祉法において、

看護師の配置基準が定められている障がい福祉サービスやそれを行う施設は次のようものになります。

🔻看護師の配置基準が定められているサービス(施設)一覧🔻

療養介護

療養介護は、

病院等に出向き、入院している障がい者に対して、機能訓練や療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護や日常生活上の世話を行います。

働く看護師の人数は、

全国 222 の事業所(公営・私営を含む)。
常勤換算看護師数 8,706。

参考リンク

対象者(利用者)は、

病院等への長期の入院による医療的ケアに加え、常時の介護を必要とする障害者として次に掲げる者

 (1) 筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者等気管切開を伴う人工呼吸器による呼吸管理を行っている者であって、障害支援区分が区分6の者

 (2) 筋ジストロフィー患者又は重症心身障害者であって、障害程度区分が区分5以上の者

 (3) 改正前の児童福祉法第43条の4に規定する重症心身障害児施設に入居した者又は改正前の児童福祉法第7条第6項に規定する指定医療機関に入所した者であって、平成24年4月1日以降指定療養介護事業所を利用する(1)及び(2)以外の者

出典:「障がい福祉サービスについて」厚生労働省(*太字筆者)
障がい支援区分とは

総じて数字が大きいほど障がいが重いと考えて下さい。

障がい支援区分について 厚生労働省

出典:「障害支援区分の概要」厚生労働省

看護職員(看護師、准看護師又は看護補助者)の配置基準は、

療養介護の単位ごとに、常勤換算方式で、利用者2人につき1以上。

例えば20名の利用者に対しては、最低10名の看護職員が必要ということ。

単位とは

ここで言う単位とは、そのサービス提供が同時に複数の利用者に対して一体的に行われるものをいう。
サービスごとに単位とされる利用定員は異なる。

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生活介護

生活介護サービスは、

入浴、排せつ及び食事等の介護、日常生活上の支援、身体機能又は生活能力の向上のための支援、創作的または生産的活動等の機会の提供、その他助言・相談を行います。

利用者は、自力または送迎などを利用して施設に通う。(通所支援施設)

働く看護師の数は、

全国 7,275 の事業所(公営・私営を含む)。
常勤換算看護師数 4,418(保健師を含む)。

参考リンク

対象者(利用者)は、

地域や入所施設において、安定した生活を営むため、常時介護等の支援が必要な者として次に掲げる者

 (1) 障害支援区分が区分3(障害者支援施設等に入所する場合は区分4)以上である者

 (2) 年齢が50歳以上の場合は、障害支援区分が区分2(障害者支援施設等に入所する場合は区分3)以上である者

 (3) 生活介護と施設入所支援との利用の組合わせを希望する者であって、障害支援区分が区分4(50歳以上の者は区分3)より低い者で、指定特定相談支援事業者によるサービス等利用計画案を作成する手続を経た上で、市町村により利用の組合わせの必要性が認められた者

出典:「障がい福祉サービスについて」厚生労働省(*太字筆者)

看護職員(保健師又は看護師若しくは准看護師)の配置基準は、

生活介護の単位ごとに、1人以上。

看護職員(保健師又は看護師若しくは准看護師)は常勤である必要はありません。

また、利用者の人数に応じた看護職員配置の比率は設けられていませんが、生活支援員や看護師等を加えた職員の総数に関しては、利用者の障がい支援区分の平均に応じた配置基準が設けられています。

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障がい者入所施設(障がい者支援施設)

障がい者入所施設は、

主に夜間(〜早朝)において、入浴、排せつ及び食事等の介護、生活等に関する相談・助言、日常生活上の支援を行います。(入所支援施設)

看護師が夜勤に入ることもあるようです。

障がい者支援施設とは

一般に「障がい者支援施設」とは障がい者入所施設のことを言います。

また、看護師が夜間に勤務をしない場合においても、

夜間もしくは休日など、施設に看護師が不在である日に夜間勤務者など勤務職員から連絡・相談があると思います。

高熱や怪我など突発的な体調変化に瞬時に対応できないことがあるんです。

これは、一支援員にとっては、健康・医療面で相談できる人が看護師しかいないためです。

働く看護師の数は、

全国 5,734 の事業所(公営・私営、地域活動支援センター、福祉ホームを含む)。
常勤換算看護師数 4,870(保健師、助産師を含む)。

参考リンク

対象者(利用者)は、

(1) 生活介護を受けている者であって障害支援区分が区分4(50歳以上の者にあっては区分3)以上である者

(2) 自立訓練、就労移行支援又は就労継続支援B型の利用者のうち、入所させながら訓練等を実施することが必要かつ効果的であると認められる者又は通所によって訓練を受けることが困難な者

(3) 特定旧法指定施設に入所していた者であって継続して入所している者又は、地域における障害福祉サービスの提供体制の状況その他やむを得ない事情により通所によって介護等を受けることが困難な者のうち、(1)又は(2)に該当しない者若しくは就労継続支援A型を利用する者

(4) 平成24年4月の改正児童福祉法の施行の際に障害児施設(指定医療機関を含む)に入所していた者であって継続して入所している者

出典:「障がい福祉サービスについて」厚生労働省(*太字筆者)

看護師の配置基準は、

入所施設においては、看護師の配置義務はありません。

ただ、入所施設のある事業所は生活介護サービスを行なっている場合がほとんどですから、

その利用者や支援員とも関わることも多いのです。

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自立訓練(機能訓練)

自立訓練(機能訓練)とは、

障がい者支援施設、もしくは障害福祉サービス事業所において、または障がいのある方の自宅に訪問をし、理学療法、作業療法、その他の必要なリハビリテーション、生活等に関する相談、及び、助言などの支援を行います。(通所または訪問支援)

また、自立訓練には生活訓練も存在する。

働く看護師の数は、

全国 428 の事業所(公営・私営を含む)。
常勤換算看護師数 101(保健師を含む)。

参考リンク

対象者(利用者)は、

地域生活を営む上で、身体機能・生活能力の維持・向上等のため、一定の支援が必要な障害者。

 (1) 入所施設・病院を退所・退院した者であって、地域生活への移行等を図る上で、身体的リハビリテーションの継続や身体機能の維持・回復などの支援が必要な者

 (2) 特別支援学校を卒業した者であって、地域生活を営む上で、身体機能の維持・回復などの支援が必要な者等

出典:「障がい福祉サービスについて」厚生労働省(*太字筆者)

看護職員(保健師又は看護師若しくは准看護師)の配置基準は、

自立訓練(機能訓練)の単位ごとに、1人以上。

また、1人以上は常勤でなければならない。

また、利用者の人数に応じた看護職員配置の比率は設けられていませんが、生活支援員や看護師等を加えた職員の総数に関しては、常勤換算方式を用いた配置基準が設けられています。

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医療型児童発達支援

医療型児童発達支援は、

児童福祉法に基づいて、日常生活の基本的動作の指導、知識や技能の付与、集団・社会生活適応化等の訓練または治療を行います。(通所支援施設)

働く看護師の数は、

全国 167 の事業所。
*下記リンク先調査対象事業所のみ、公営・私営、福祉型を含む。
看護師数 111人(保健師を含む)。

参考リンク

平成26年度全国児童発達支援センター実態調査
公益財団法人日本知的障害者福祉協会児童発達支援部会

対象者(利用者)は、

上肢、下肢又は体幹の機能の障がいのある児童(満18才に満たない障がい児)。

看護師の配置基準は、

1人以上。

常勤であること、常勤換算であること、
看護職員(保健師又は看護師若しくは准看護師)であることの規定はありません。

障がい児施設とサービスについて

平成24年4月1日に障害者自立支援法・児童福祉法等が改正され、障がい児支援については、児童福祉法に根拠規定が一本化され、体系も再編されています。

障がい児支援施策一元化イメージ

障がい児支援施策の体系

出典;「障害児支援施策の概要」厚生労働省

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医療型障がい児入所施設

医療型障がい児入所施設は、

児童福祉法に基づいて、保護や日常生活の指導、自立に必要な知識技能の付与および治療を行います。

働く看護師の数は、

全国 212 の事業所(公営・私営を含む)。

参考リンク

対象者(利用者)は、

知的障がい児(自閉症児、発達障がい児を含む)、肢体不自由児、重度心身障がい児。
(満18才に満たない障がい児)

看護職員(保健師又は看護師若しくは准看護師)の配置基準は、

医療法」に規定される病院として必要とされる数。

医療法に基づく人員配置標準について

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(福祉型)児童発達支援

児童発達支援は、

児童福祉法に基づいて、日常生活の基本的動作の指導、知識や技能の付与、集団・社会生活適応化等の訓練を行います。(通所支援施設)

働く看護師の数は、

全国 167 の事業所
*下記リンク先調査対象事業所のみ、公営・私営を含む、児童発達支援センターのみ。
看護師数 111人(保健師を含む)。

参考リンク

平成26年度全国児童発達支援センター実態調査
公益財団法人日本知的障害者福祉協会児童発達支援部会

児童発達支援について

現在の児童福祉法においては、児童発達支援は、児童発達支援センターとそれ以外の事業に分かれています。

児童発達支援の2類型

出典:「障害児支援の強化について」厚生労働省

ちなみに、発達という言葉が使われる、「発達障がい」とはまた別のことですので注意してください。

発達障がいとは

乳児期から幼児期にかけた精神・知能の発達過程で現れる脳機能の障害。
社会との交流、言語・知能機能、注意・記憶などの機能障害。


発達障害者支援法
第二条
この法律において「発達障害」とは、

自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの

をいう。

出典:「障害者の範囲(参考資料)」厚生労働省(*太字筆者)

発達障害者支援法においては、自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(AD/HD)などを発達障害の範囲としている。

対象者(利用者)は、

身体、知的、精神に障がいを持つ児童。
(満18才に満たない障がい児)

看護師の配置基準は、

重度心身障がい児を通わせる施設においてのみ、1人以上。

常勤であること、常勤換算であること、
看護職員(保健師又は看護師若しくは准看護師)とであることの規定はありません。

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福祉型障がい児入所施設

福祉型障がい児入所施設は、

児童福祉法に基づいて、保護や日常生活の指導、自立に必要な知識技能の付与を行います。

看護師の数は、

全国 263 の事業所(公営・私営含む)。

参考リンク

対象者(利用者)は、

知的障がい児(自閉症児、発達障がい児を含む)、肢体不自由児、盲ろうあ児。
(満18才に満たない障がい児)

看護師の配置基準は、

自閉症児を入所させる施設において、おおむね入所障がい児20人につき1人以上。

また、肢体不自由児を入所させる施設において、1人以上。

常勤であること、常勤換算であること、
看護職員(保健師又は看護師若しくは准看護師)であることの規定はありません。

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放課後等デイサービス

放課後等デイサービスは、

児童福祉法に基づいて、学校(幼稚園及び大学を除く)に就学している障がい児に、授業の終了後又は休業日に、生活能力の向上のために必要な訓練、社会との交流の促進等を行います。(通所支援施設)

障がい児の学童。
略して「放デイ」とも呼ばれる。

働く看護師の数は、

全国 1,886 の事業所。
*下記リンク先調査対象事業所のみ、公営・私営を含む。
看護師常勤者数 253人。

対象者(利用者)は、

障がいを持つ就学児童(満18才に満たない障がい児)。
例外的に満20才まで利用可能。

看護師の配置基準は、

重度心身障がい児を通わせる施設において、1人以上。

常勤であること、常勤換算であること、
看護職員(保健師又は看護師若しくは准看護師)であることの規定はありません。

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もちろん、規定はなくとも看護師が必要とされ、活躍できるサービスや施設は他にも多くあります。

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障がい者施設での医療行為と看護師配置の課題

手を握る乳児と大人

障がい者施設での看護師の必要性・重要性が増す一方で、現在の障がい福祉関連法における看護師の配置についての問題点も露呈しています。

医療行為の必要性

近年、医療技術の向上と障がい者の高齢化・重度化により、施設利用者への医療行為提供の需要が増えています。

医療行為の必要な障がい児数の推移

医療的ケア児数 厚生労働省

出典:「医療的ケアが必要な子どもと家族が、安心して心地よく暮らすために」厚生労働省政策統括官付政策評価官室 アフターサービス推進室

65歳以上の障がい者数(知的障がい、身体障がい、精神障がい)

内閣府 平成30年度版 障害者白書」によると、「3障がい」児・者(知的障がい、身体障がい、精神障がい児・者)の概数は、
936万6千人となっています。

また、65歳以上の3障がい者は、おおよそ半数を占めています。

3障がいとは

知的障がい、身体障がい、精神障がい

の3つの障がいのこと。

平成17〜18年度調査では、

障がい者のうち 45% が65歳以上。

障害者の範囲ー年齢別障害者の数

出典:「障害者の範囲(参考資料)」厚生労働省

平成28年度調査では、

障がい者総数 5,932千人 に対して
65歳以上は、 3,550千人 で
60% を占めている。

障害者白書 65歳以上の障害者の数

出典:「平成30年度版 障害者白書」内閣府

*調査方法により障がい者総数は異なっている。

医療行為が必要な障がい児が増えている分、

そして、65歳以上の障がい者が増えている分、

看護職員(看護師、准看護師、保健師)の需要も高まっている一方で、

施設としては看護職員の業務、資格に見合った対価を支払わなければなりません。

施設は行政(国保連)等から支払われた「報酬」で人件費をまかなっているわけですが、

その報酬(「加算」)で、利用者が必要とする医療行為を十分に提供できるほど看護職員を配置できるでしょうか。

ともすれば重度の障がい者の受け入れを拒否したり、看護職員を減らしてしまう状況を生みかねません。

報酬とは

障がい福祉サービスにおける、事業者(施設)が利用者に対して提供したサービスの対価として支払われる費用のこと。

国保連から支払われる。

加算(減算)とは

障がい福祉サービスにおいて、サービス費用(報酬)とは別に各事業者(施設)の人員配置などのサービス提供体制、受け入れる利用者の障がいの度合い等の状況に応じて支払われる報酬の仕組みのこと。

要件を満たすことで報酬(収入)が加算(得られ)され、

要件を満たさないことで報酬(収入)が減算(減らされること)にもなる。

医療行為と受け入れ体制

医療行為の必要な障がい者の受け入れアンケート

施設側から見た医療的ケア児・者の受け入れ意向

医療的ケア児・者受け入れの課題

出典:「比企圏域における福祉サービス事業所と家族の『医療的ケア』に関する現状と課題」東松山市自立支援協議会 重症心身障害児・者の生活を支えるプロジェクト

一部の限定された地域の調査になりますが、

医療行為が必要な障がい者を受け入れるには、施設にとってはあまりにも不安や負担が大きいのが現実です。

障がい福祉サービスにおいて、施設への報酬(額)の仕組みは随時改定されてはいるものの、

政府の対応は後手後手に回ってしまっているんですね。

看護師配置と施設運営

医療的ケア提供体制ー常勤看護職員等配置加算の充実

出典:「平成30年度障害福祉サービス等報酬改定に関する意見等」社会福祉法人全国社会福祉協議会・全国身体障害者施設協議会

医療行為が必要な利用者を受け入れただけ看護師を複数人配置する必要も出てきますが、

看護師を1人以上であれば何人配置しても評価されていなかったことが分かります。

(*現在は、常勤看護職員等配置加算に1人以上配置と2人以上配置の2種類の加算区分が設けられている。)

つまり、利用者へのより良い支援のために看護師を始め充実した職員を配置しても、

その職員らに十分な給与を支払え得るだけの報酬(加算)が追いついていない状況なのです。

その結果、施設を利用している(したいと考える)障がい者と
現場で働く看護師の業務量に負担が掛かるのです。

現場の一職員が政府や施設の運営に関して口を出すことは無用であるかもしれません。

現場の職員は目の前の業務と利用者に真摯に向き合うしかありませんよね。

だからこそ施設選びは大切なのです。

看護職員に関わるサービスの主な加算は、

  • 常勤看護職員等配置加算(生活介護等)
  • 看護職員加配加算(児童発達支援等)
  • 看護職員配置加算(複数サービス)
  • 医療連携体制加算(複数サービス)
  • 夜勤看護体制加算(入所施設)

などがあります。

このように行政としても施設や看護職員に対してさまざまな施策を行なっていますが、

医療行為を必要とする本人と保護者にとっても路頭に迷うのが現状なのです。

参考リンク

看護師(職員)、医療的ケアを必要とする利用者、施設(運営)の3者は脆弱なバランスで支え合っていると言わざるを得ません。

障がいの一例と特徴

ここでは基礎知識として知っておきたい障がいを紹介します。

障がいと言っても三者三様で、障がいを併発していたり、その度合いが異っていたりと、障がい名やその定義では言い切れない側面があります。

知的障がい

知的障がいとは、

知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常生活に支障が生じているため、何らかの特別の援助を必要とする状態にあるもの。

出典:「知的障害児(者)の基礎調査」厚生労働省(*太字筆者)

主に知的能力を必要とする日常生活動作において支援していきます。

ちなみに、知的障害者福祉法ほか、知的障がいについての法的に明確な定義規定はありません。

自閉症

自閉症とは、

自閉症は
「1. 対人関係の障害
「2. コミュニケーションの障害
「3. パターン化した興味や活動
3つの特徴をもつ障害で、生後まもなくから明らかになります。
最近では症状が軽い人たちまで含めて、自閉症スペクトラム障害という呼び方もされています。

出典:「自閉症とは e−ヘルスネット情報提供」厚生労働省(*太字筆者)

自閉症と知的障がいは別の種類となります。

自閉症=知的障がいではありませんが、自閉症の半分以上は知的障がいを持っています。

目を合わせない、声を掛けても返事がない、
また、特定の行為を反復したり、固執する特徴がある。

自閉症スペクトラム障害とは

コミュニケーション能力の欠落や強いこだわりを特性とする、自閉症やアスペルガー症候群、広汎性発達障害を統合して呼ばれる障害。

身体障がい

身体障がいとは、

身体障害者福祉法
第四条
この法律において、「身体障害者」とは、

別表(※)に掲げる身体上の障害がある十八歳以上の者であつて、都道府県知事から身体障害者手帳の交付を受けたものをいう。

※別表に定められている障害の種類
1視覚障害、2聴覚又は平衡機能の障害、3音声機能、言語機能又はそしやく機能の障害、 4肢体不自由、5内部障害

出典:「障害者の範囲(参考資料)」厚生労働省(*太字筆者)

主には移動・移乗、食事・排泄・入浴など日常生活動作において支援していきます。

精神障がい

精神障がいとは、

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律
第五条
この法律で「精神障害者」とは、

統合失調症、精神作用物質による急性中毒又はその依存症、知的障害、精神病質その他の精神疾患を有する者をいう。

出典:「障害者の範囲(参考資料)」厚生労働省(*太字筆者)

比較的見た目では分かりづらい障がいです。

また、経験上、日常生活においては自立されている方が多いように思います。

大人になってから判明することも少なくない、発達障がいも精神障がいに含まれます。

参考リンク

ダウン症

ダウン症とは、

正式名は「ダウン症候群」(最初の報告者であるイギリス人のジョン・ラングドン・ダウン医師の名前により命名)で、

染色体の突然変異によって起こり、通常、21番目の染色体が1本多くなっていることから「21トリソミー」とも呼ばれます。

この染色体の突然変異は誰にでも起こり得ますが、ダウン症のある子は胎内環境がよくないと流産しやすくなるので、生まれてきた赤ちゃんは淘汰という高いハードル乗り越える強い生命力をもった子なのです。

出典:「ダウン症のあるお子さんを授かったご家族へ」公益財団法人日本ダウン症協会

ダウン症の特性として、筋肉の緊張度が低く、多くの場合、知的な発達に遅れがあります。発達の道筋は通常の場合とほぼ同じですが、全体的にゆっくり発達します。
 心疾患などを伴うことも多いのですが、医療や療育、教育が進み、最近ではほとんどの人が普通に学校生活や社会生活を送っています。

出典:「ダウン症のあるお子さんを授かったご家族へ」公益財団法人日本ダウン症協会

特徴的な顔立ちで一見してダウン症であることがわかることが多いです。

経験上、ダンスや音楽を好み、人懐っこい性格。
また、舌の肥大により嚥下機能が低下している方が多いように思います。

強度行動障がい

強度行動障がいとは、

自分の体を叩いたり食べられないものを口に入れる、危険につながる飛び出しなど本人の健康を損ねる行動、他人を叩いたり物を壊す、大泣きが何時間も続くなど周囲の人のくらしに影響を及ぼす行動が、著しく高い頻度で起こるため、特別に配慮された支援が必要になっている状態のこと

出典:「強度行動障害支援者資料 」発達障害情報・支援センター 国立障害者リハビリテーションセンター(*太字筆者)

このように支援が必要かつ困難である状態を言います。

これは自閉症などの医学的診断名ではなく、
行動的側面を捉えて命名されたものです。

疫学的全国調査は行われておらず、正確な数字は明らかではありませんが、

全国で約8,000人と言われています。

また、別の推計では、約3万人近くいるとされています。
(重度障がい者支援加算対象者+行動援護利用者数)

自傷や他害、破損行為などの問題行為により家族の疲弊と支援者による虐待が社会問題となり、

国も施策に乗り出して関連制度が整いつつあります。

参考リンク

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障がい者施設での看護師の給与について

紙幣と給与

障がい者施設を選ぶ大切な基準の1つとして、看護師の給与が挙げられます。

給与

当然施設それぞれの経営方針や財政状態により異なるとは思いますが、

障がい福祉サービスにおける職種別の給与の統計を見てみましょう。

ちなみに給与には、賞与や手当、残業代などが含まれています。

障がい福祉サービス全体

障がい福祉サービス全体平均給与

障がい福祉サービス 給与の状況

出典:「平成29年障害福祉サービス等経営実態調査結果」厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部

看護職員は、常勤であれば一月30万円くらいといったところでしょうか?

医師、施設長・管理者に次いで3番目に多い給与となっています。

医師は別格として、管理職や専門職などは手当も支給されますからそれ相当の給与が支給されていることが分かります。

看護師が必要とされる主なサービスについても個別にチェックしていきましょう。

療養介護サービス

療養介護サービス平均給与

療養介護サービスー平均給与額

出典:「平成29年障害福祉サービス等経営実態調査結果」厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部

生活介護サービス

生活介護サービス平均給与

生活介護サービスー平均給与額

出典:「平成29年障害福祉サービス等経営実態調査結果」厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部

施設入所支援サービス

施設入所支援サービス平均給与

施設入所支援サービスー平均給与額

出典:「平成29年障害福祉サービス等経営実態調査結果」厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部

自立訓練(機能訓練)サービス

自立訓練(機能訓練)サービス平均給与

自立訓練(機能訓練)サービスー平均給与額

出典:「平成29年障害福祉サービス等経営実態調査結果」厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部

福祉型障がい児入所施設

福祉型障がい児入所施設平均給与

福祉型障がい児入所施設ー平均給与額

出典:「平成29年障害福祉サービス等経営実態調査結果」厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部

医療型障がい児入所施設

医療型障がい児入所施設平均給与

医療型障がい児入所施設ー平均給与額

出典:「平成29年障害福祉サービス等経営実態調査結果」厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部

(福祉型)児童発達支援

児童発達支援平均給与

児童発達支援(福祉型)ー平均給与額

出典:「平成29年障害福祉サービス等経営実態調査結果」厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部

医療型児童発達支援

医療型児童発達支援平均給与

医療型児童発達支援ー平均給与額

出典:「平成29年障害福祉サービス等経営実態調査結果」厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部

放課後等デイサービス

放課後等デイサービス平均給与

放課後等デイサービスー平均給与額

出典:「平成29年障害福祉サービス等経営実態調査結果」厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部

どうでしょうか?

おおむね医療行為が必要とされる医療型サービスにおいて、より多く給与が支払われているのが分かります。

逆を言えば、医療行為が比較的必要とされないサービスにおいては、
医療行為以外の業務に追われることになると推測されます。

ちなみに、自立訓練(機能訓練)においては看護師の職員配置が義務付けられていますが、

実際の業務では看護業務に相当する専門的支援は少ないようで、看護師配置について疑問視する声も上がっています。(下記No.3)

自立訓練(機能訓練)における看護師の配置の意味

出典:「自立訓練(機能訓練・生活訓練) に係る報酬・基準について ≪論点等≫」厚生労働省

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手当

一般に、

非常勤⇨常勤
非正規職員⇨正規職員
准看護師(資格)⇨看護師(資格)

手当にも差があり右に行くほど高く設定されています。

看護師または准看護師が障がい者施設で得られる主な手当には以下のようなものがあります。

夜勤手当(深夜割増賃金)

残業手当

資格手当

業務手当

特殊業務手当

オンコール手当

処遇改善手当(処遇改善一時金)

個別にみていきます。

夜勤手当(深夜割増賃金)

障がい福祉サービスにおいては、看護師が夜勤を頼まれることは少ないと思われます。

ただ、入所施設では夜間に看護体制を取らなければならない場合もあります。

施設としても夜勤看護体制加算(報酬)を得られる場合もありますから、心配な利用者の状況によっては相談してみるのもいいかもしれません。

また、労働基準法で定められている、22時から翌5時の間の勤務に対象給与額の25%相当の割増賃金を上乗せする「深夜割増賃金」とは別に

夜勤手当を支給している施設もあります。

ただ、夜勤手当=深夜割増賃金としている施設もあるので注意が必要です。

なお、前述したように、一支援員にとっては健康・医療面で相談できる人は看護師しかいません。

夜間勤務を行わなくとも、利用者の状況により夜間や休日に連絡があることも少なくありません🙇‍♂️

残業手当

昨今、働き方改革なる画期的な思想の導入により残業することも少なくなってきたのではないでしょうか?

しかし、会社が残業を勧めていないにも関わらず、日々の業務は改革されずに従業員が隠れて時間外に業務を終わらせるという矛盾も生じています。

法人幹部はお上の顔色を伺いながら表向き健全さをアピールしつつも、

業務の効率化については無頓着であるように思われ、

実情は現場の職員やそれに近しい管理職が現場を改革していかなくてはなりません。

しかも、日々の業務に追われながら業務の効率化について話し合い、上長の許可を得て、周知する、といった過程さえ確保できず、業務時間外で行われる始末です。

より少ない職員でより多くの業務を効率よくこなすこと、

そんな、利用者を度外視しなくてはならない状況が当たり前になってはなりません。

現場の職員と施設利用者が1番の被害者になるのです。

資格手当

看護師(准看護師)という資格に対して支払われる手当です。

独自に調査すると、約5,000から70,000円の幅がありました。

ただ、この手当が高い分、基本給が低く設定されていたりします。

業務手当

看護師(准看護師)の業務に対して支払われる手当です。

資格手当と同様の意味合いで使われることもあり、設けていない施設も多くありました。

特殊業務手当

重症心身障がいや重篤な症状など特定の利用者の支援業務に対して支払われる手当のこと。

独自の調査では、約10,000円前後といったところです。

医療機関と連携している、または、医療設備の整った施設で設けている手当で、

障がい者施設では一般的ではありません。

オンコール手当

救急時の呼び出しに備えて自宅待機している場合に支給される手当のこと。

入所施設の一部で導入している。

待機1回につき約1,000円前後。

処遇改善手当(処遇改善一時金)

福祉・介護職員の平均賃金は他の産業と比べて依然として低い水準にあります。

産業別平均賃金ー介護職員

出典:「障がい福祉サービス等従事者の処遇改善について」厚生労働省

きまって支給する現金給与額について(男女計)、
産業計(産業別平均)では 324.0千円 であるのに対し、
医療・福祉は 294.4千円
社会福祉・介護事業は 238.4千円
となっています。(平成25年調査)

そのため政府は、福祉人材のキャリアアップ体系の整備、福祉施設での職員の人手不足の解消、賃金体系の改善を目的として、下記の加算を導入しました。

福祉・介護職員処遇改善加算について

障害福祉サービス等に従事する福祉・介護職員の賃金改善に充てることを目的に、平成24年度障害福祉サービス等の報酬改定に伴い、設けられた加算です。

事業者(施設)は、賃金全般、人材育成、労働環境の改善・整備など特定の要件を満たすことで報酬(加算)が得られる。

加算区分により職員一人当たり平均1.5〜3.7万円に相当する額の賃金引き上げを見込んでいる。

福祉・介護職員処遇改善加算と福祉・介護職員処遇改善特別加算がある。

なお、この制度では、原則看護師は加算の対象とはなっていないが、生活支援員等としての業務(直接支援)を兼務している場合には対象となる。

実際にはこの加算(報酬)は施設に支払われるので、このお金がそのまま職員に還元されているわけではありませんが、

施設によっては処遇改善手当(処遇改善一時金)として還元している場合があります。

場合によっては、基本給与に予め含まれていることもあります。

だいたい1万円前後といったところです。

なお、2019年10月より、新しく介護職員特定処遇改善加算が導入されました。
(障がい福祉人材についても同様)

この加算によっても看護師等に配分することができます。

これまでの福祉職員に対する処遇改善の取り組みはこちらを参考に⏬

参考リンク

2019年具体的改定内容や「新しい経済政策パッケージ」についてはこちらを⏬

看護師が障がい者施設を選ぶチェックポイント

看護師の選択

ここでは通常求人情報で公開されているような基本事項以外のチェックすべきポイントを紹介したいと思います。

一般に公開されているような求人情報においては、細かいことは書かれていないのが実情です。

業務全般

前述した看護師の仕事内容は、障がい者施設での看護師業務の全て(最大数)と言っても過言ではありません。

その全てを任せられることはほとんどないにしても、あるいは分担するにしても気になる業務があるのであれば事前に訊いておいたほうが良いでしょう。

連携体制

配属されるグループ(班)には、何人看護師がいるのか?

なんと言っても障がい者施設で看護師は少数です。

少数であるからこそ看護師1人が負担する業務量は過剰になりがちです。

自分が休みの時でも自分の業務を他の看護師に任せられるような勤務体制を敷いているのが望ましいですね。

夜勤

夜勤や宿直はあるのか?

法人内において入所施設がある場合、日勤や通所支援施設を希望していても緊急時や年度替り後に夜勤や宿直を頼まれる(命令される)ことがあります。

自分から夜勤を希望しているならまだしも、嫌だけど頼まれたから頷いてしまう方は、予め断ったほうが良いでしょう。

休憩

休憩は取れるか?

他の職員(看護師)との連携体制にも関わってきますが、障がい者施設においては現場から離れてしっかり休憩できるような施設は少ないように思います。

特に、昼食時は利用者と一緒に昼食を摂る ≒ 支援、ということになります。

使用者は1日の労働時間が6時間を超える場合には少なくとも45分、8時間を超える場合には少なくとも60分の休憩を勤務時間の途中で与えなければいけません(労働基準法第34条)。

休憩時間は労働者が自由に利用できるものでなければならないので、休憩中でも電話や来客の対応をするように指示されていれば、それは休憩時間ではなく労働時間とみなされます。

出典:「労働条件・職場環境に関するルール」厚生労働省

休憩がとれないことは、施設だけを責めるわけにはいかない事情がありますが、

福祉や介護、医療の職場で、

休憩は無いもの、休憩をとれる雰囲気ではない、

こんなことが当たり前になっているような気がします。

職員のことを考えていれば、連携体制や職員配置で解消できるはずです。

事業(サービス)

どのような事業(サービス)に配属されるのか?

前述したように、看護師(看護職員)の配置義務があるサービス、配属される可能性があるサービスを説明しました。

看護師(看護職員)は比較的重度の障がい者を支援するグループ(班)に配属されることが多いです。

  • 障がい児なのか障がい者なのか、
  • 入所施設なのか通所施設なのか、
  • 重症心身障がい者がいるのかいないのか、
  • 医療的ケアがあるのかないのか、
  • どのような活動を行なっているのか、

サービスによっても業務内容は変わってきます。

配属されるサービスの名称だけでなく、そのグループ(班)の特徴や雰囲気を訊いてみるのも良いでしょう。

医療行為

医療行為はあるのか?

この質問には2つの意味があります。

1つは、医療的ケア=重症心身障がい者あるいは、重度の障がい者を支援することを意味しています。

その一連の業務には、命の危険や責任が伴いますが、

看護師だからこそできる業務がそこにあるわけです。

つまり、2つ目は、障がい者支援において、看護師自身の自尊心を保つことができる業務があるということです。

ともすれば雑多な業務に追われ、

自分が何のためにこの仕事をしているのか、

自分じゃなくてもいいのでないか、

自分は必要とされているのか、

自分を見失ってしまう瞬間があるものです。

障がい者施設には、あなたを必要としている人がいるのです。

まとめ

いかがだったでしょうか?

看護師は、障がい者施設や利用者だけではなく職員にとっても貴重な存在であるのです。

そして、障がい者を取り巻く環境は決して良いとは言えないのかもしれませんが、

人との繋がりがダイレクトにやりがいに繋がるような仕事は少ないのです。

この記事によって看護師が1人でも障がい者支援に興味を持ってくれたら嬉しいです。

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看護師と施設のマッチング

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