みなさんお疲れ様です。
今年も新たに新人職員が入職してきました。
右も左も分からない新人たちが不安で一杯の中、先輩方はこの新人がいつまで続くかと興味本位で眺めてしまうものですが、
一方、新人から見れば、未経験あるいは実習でしか関わっていない障がい者の方がいる施設で働くことは、とんでもなくストレスの掛かる、緊張の一歩であると想像できます。
僕はそんな新人の方々が実際に働く前に、不必要に悩んだり辛いと感じる前に、不安を払拭できるように何かしらできることはないかと考えていました。
障がい福祉の中の、主に生活介護や生活支援員の概要と実際に働く前の知識を紹介しています。
職種
障がい者福祉における、資格や経験が特にない方は、「生活支援員」と呼ばれる職種に就くことが多いと思います。
生活支援員は特に資格がなくても働ける職種です。
生活支援員は主に「生活介護」事業(サービス)の括りの中で、障がい者施設利用者の生活、身の回りの支援を業務として働く職員のことです。
一方で、食品の製造・加工を生産活動としている就労継続支援A・B型などの就労支援事業にも配属される可能性があります。
利用者の就労を最終目的とした就労継続支援A・B型などの就労支援事業では、生産活動の種類によっては支援する側にも技術や経験が必要で、
その場合の支援員の職種は、「作業指導員」や「職業指導員」とも呼ばれます。
作業指導員や職業指導員も特に資格は必要ないのですが、
初めて障がい者施設で働くとしても、例えば前職が調理師であったとか、農業や食品の製造や加工の経験がある方は、障がい者施設特に就労支援事業において、作業指導員や職業指導員として期待され、配属される可能性があるのです。
なので、障がい者施設で働くことが初めてだからといって、「生活介護」の「生活支援員」が求められているとは限らないのです。
自分の経歴を伝えること、自分の特技や技術を見直すことも含め、どの職種ができるのか、どの職種が求められているか確かめることが大切です。
配属と事業所名(サービス名)
障がい者施設未経験の方の多くは、生活介護事業に配属されることが多いのですが、
先程のように、就労支援事業に配属される可能性もあります。
改めて自分の配属先の事業(名)と大まかな業務を確かめ、また、自分の能力が発揮できる仕事を見極めましょう。
また、日中支援だけの生活介護だけでなく、生活介護の夜勤版とも言える入所施設に配置される可能性も無きにしもあらず、なので注意が必要です。
業務全般
一言に生活介護と言っても、その業務は多岐に渡ります。
基本である、食事や入浴、排泄などは利用者個人に合わせた支援を学びながら実際に行なっていくでしょう。
そのような現場の直接支援以外にも、事務作業も支援員の業務の1つです。
日誌の記入や利用者個人の記録、パソコン入力などが挙げられます。
他にも利用者送迎やイベント・外出の同行、研修の参加などもお願いされることもあります。
希望勤務時間にもよりますが、もし苦手な業務やできない業務があるならあらかじめ訊いておくといいかもしれません。
職員連携体制
生活介護に関わらず、障がい者支援の現場というものは、おおむね目まぐるしい毎日を過ごします。
その日の利用者の体調や情緒、その日の職員配置体制によって、時間を忘れるほど忙殺されることも少なくありません。
それは利用者のせいにすることはできません。
これは法人の方針や事業所の支援目標、各利用者状況の把握、各職員の能力や支援技術に左右されるものです。
そのようなことは入職前には知ることができないものではありますが、
自分が配属される職場の1日あたりの職員数と利用者数を聞いてみるのも1つの手です。
生活介護の職員配置の項目で前述したように、生活介護の人員配置基準というものが定められています。
引用した表から、生活介護利用者の障がい支援区分の平均により、
おおむね職員1人に対して利用者3〜6人が最低基準です。
それ以上に職員が配置されているようならば、職員同士の連携体制が整っていると推測できるのです。
夜勤・宿直
生活介護サービスは日中の時間帯で支援を行う通所支援事業ですから、夜勤や泊まりの仕事がないのが基本です。
ただし、大きな法人となれば、入所施設やグループホームを開設している場合があります。
入所施設は夜勤が基本ですし、グループホームには、宿直という仮眠できる泊まり業務があります。
夜勤のある入所施設、宿直のあるグループホーム、日中活動支援の生活介護サービスはそれぞれ異なるサービスであるので、事前に断ることはできると思いますが、
法人によっては、グループホームの宿直を生活介護職員が特定の数日を分担して任されることがあることです。
夜勤や宿直が無理であれば予め伝えておきましょう。
休憩
障がい者支援という対人支援においては、なかなか時間で区切ることの難しい仕事です。
職員の配置人数にも関わってくるのですが、
利用者の特性やその日の利用者の状況により、習慣として行なわれている日課でさえ時間が掛かってしまうことが多々あります。
そんな中でも職員1人1人が時間をずらしながらも休憩が取れるということは、法人や事業所が、職員の業務量や負担に対して考慮していることの証拠でもあるのです。
僕が勤めていた法人では、利用者が落ち着いた時間を見計らって個人個人が人目を避けるように罪悪感を感じながら休憩していたものです。
休憩がきちんと堂々と取れ、休憩の時間配分が定まっていることは、雇われる側としても、法人や事業所を選ぶ判断基準の1つになり得るはずです。
求められる人材と6次産業化
現在の障がい福祉では利用者のために様々な活動と場が提供されています。
主に農業が代表される第1次産業、
食料品への加工を主とする第2次産業、
販売と接客業を学び、実践する第3次産業。
障がい者施設・事業所を営む法人は共に歩む利用者のニーズを叶えるため第6次産業化が進んでいます。
この第6次産業化は、障がい福祉の法人が様々な事業を行い拡大していく過程で第1次、第2次、第3次、それぞれの事業を法人内で行うことです。(1+2+3=6)
当然ながらそれに伴い障がい者施設で求められる人材も多岐に渡ります。
もしこれから障がい者施設の仕事に興味があり、また、面接を控えていたりするなら、自分の経歴を伝えること、自分の特技や技術を見直すことも含め、どの職種ができるのか、どの職種が求められているかを確かめておくことが大切です。
さらに言えばこの対人サービスにおいては、働くあなたの性格や個性こそが生かされる仕事でもあります。
詳細は別の記事で紹介しますが、
必ずしもあなたの経歴や技術、資格だけが障がい者施設の、なんと言っても利用者の求める要件になるとは限らない
と、頭に入れておいて欲しいのです。
まとめ
生活介護事業は多くの障がい者に利用され、その分生活支援員も必要とされています。
僕のような人付き合いが苦手で、他人に気を遣いすぎてしまう人間でも、
いざ利用者を前にすると不思議と素直になれるものです。
それは、利用者の多くは、純粋で他意がなく、悪意もなく、頼るべき人として生活支援員に接しているからです。(一部を除く…笑)
もちろん、みなさんにとっては障がい者支援の仕事が合うとは限りませんが、
障がい者支援の仕事に携わることだけではなく、障がい者施設利用者と接することだけでも、
みなさんの今後の人生に良くも悪くも一石を投じるような、貴重な経験となるはずです。
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