障がい者の食事形態と摂食・嚥下障害について

ネオンサイン-EAT障がい者施設利用者
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みなさんお疲れ様です。

障がい者支援において、「食事、排泄、入浴」は3大支援と言われています。
(勝手に命名…汗)

支援員にとっては、食事介助が主な支援内容ですが、施設が提供する食事にも気を配らなければなりません。

障がい者の体調や身体機能の変化、健康管理のために、食事量を調整したり、食事形態を変更する必要も出てくるのです。

今回は、障がい者施設の食事支援と摂食・嚥下障がいについて紹介したいと思います。

ネオンサイン-EAT
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障がい者施設の食生活

食生活という意味では、基本的に障がい者も他の人も同じです。

食べ過ぎれば太るし、動かなければ太る。
(挙句におやつを奪い取って太る…)

障がい者施設においては、栄養士を配置したり、調理設備を整えたりして、食事量やカロリーなど管理されているはずですが、

障がい者の多くは、食べるのが大好きな一方で、運動嫌い(…だと思う)。

栄養管理されているはずの施設利用者が何故か太ってゆく。

なので、糖尿病やその予備軍で溢れ返らないよう、施設や支援員は食事に対して敏感にならざるを得ません。

食事の提供

入所施設や通所施設でも必ず昼食を摂ります。

その食事はお弁当や給食に分けられます。

お弁当

お弁当は就労系施設で作られる内部生産と外部から購入する外部委託があります。

どちらにせよ、給食と言い換えても良いかもしれませんが、

不特定多数の買いたい人に売る、という点で、給食とは異なります。

就労継続AやB型事業所で作ったお弁当を、依頼があれば外部にも販売しているはずです。

内部生産の施設利用者・職員への(給食的)お弁当は、一定の期間の献立やカロリーなど計算されているはずなので、外部のお弁当販売店とは異なり、自分の好きなものを選ぶといったことはできません。

ですが、内部生産の良いところは、障がい者施設や施設利用者に合わせた調理が可能であることですね。

外部には頼めない、イベントや歳時記に合わせたメニューや食事形態の細かな注文にも柔軟に対応できることが多いです。

給食

一方、給食は依頼された特定の集団に1日1食から3食、一定期間に継続的に提供することです。

給食とは

特定多数に対して継続的に食事を提供すること。

給食も一定期間の献立が決められ、カロリーや栄養面を管理しています。

大きな法人の障がい者施設では、給食設備や厨房が設置され、委託された給食団体・企業がそこで調理して提供することもあります。

朝食や夕食を提供できる点で、病院や障がい者支援施設(入所施設)には、給食設備が設置されることが多いようです。

お弁当にしても給食にしても、外部委託の場合には、細かで素早い対応が難しいところではありますね。

急な食数の増減だけでなく、障がい者に合わせた調理にも限度があり、

食材や調理人員、調理器具などの都合から、事前に話し合いの場を持つ必要が出てきます。

食事の時間になってその場で支援員がハサミで刻んだり、食数が足りてなくて自分の食事を利用者に渡したり…、

なんて自分の食事どころではない状況もよくありますよね。

子どもの食事形態
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障がい者の特性と食事形態

施設利用者である障がい者の食事が栄養やカロリーの面ではコントロールされているのですが、

それだけではなく、障がい者の特性に合わせた食事支援というのもあります。

障がい者の特性

食事に関する特性の例
  • 歯がない
  • 入れ歯が合わない
  • 飲み込みが悪い(嚥下機能障がい)
  • 掻き込み・詰め込み
  • アレルギー
  • 箸が持てない(身体的制限)
  • カロリー制限
  • 食べたくない・食べない(摂食障がい)

上記の例の中には、病院や高齢者施設でも見受けられる特性ではありますが、

身体的制限だけでなく、精神的な障がいに合わせた食事支援があるのが特徴です。

摂食障がいと嚥下障がい

障がい者施設においては、嚥下障がいだけではなく、摂食障がいの理解が必要となります。

嚥下障がいと摂食障がい
  • 摂食障がい…食べる行為に問題があること。
    心理的要因によるところが大きい。
    食べ過ぎ(過食)、食べたくない(拒食)、食べられない、など。
  • 嚥下障がい…飲み込み(嚥下)機能に障がいがあること。
    身体機能の衰えや障がいが原因であることが多い。
    飲めない、飲み込みにくい、安全に飲み込めない(誤嚥)、など。

障がい者施設の食事形態

それぞれの障がい者の特性に合わせた食事の提供にために、

食事形態(食形態)を変える必要が出てきます。

食形態の一例
  • 常食
  • 大盛り
  • 特盛
  • 小盛り
  • おかゆ
  • きざみ食
  • 極きざみ食
  • 一口大
  • ミキサー食
  • ペースト食(とろみ食)
  • どんぶり
  • 小分け
  • パン禁
自助具とスプーン
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障がい者への食事支援

障がい者の食事支援として、特性と特性に合わせた食事形態を紹介します。

歯がない

障がい者の中には若くして歯を失っている利用者も少なくありません。

使える歯の本数にもよりますが、嚥下障がいが無い場合、主食は主におかゆ、おかずは極きざみ食やミキサー食になります。

入れ歯が合わない

入れ歯である障がい者もいます。

嚥下障がいがなく、入れ歯が合っていれば、常食で問題ないのですが、

入れ歯が合わず食べ物が入れ歯と歯茎の間に挟まったり、入れ歯用接着剤を嫌ったりと、

結果少食になったり、拒食の原因となる可能性もあるので注意が必要です。

年齢と共に入れ歯が合わなくなるケースも見受けられ、定期的に入れ歯を作り直す必要が出てきます。

飲み込みが悪い

障がい者の中には、アゴの変形や舌の肥大によって飲み込みが悪い人もいます。

これは、高齢者特有の嚥下機能の劣化とは異なりますが、

食べ物が喉に詰まったり、気管に入ってしまう可能性があることは同様です。

噛めるだけの歯が揃っている障がい者には、例え自分で食べることができても、介助あるいは見守る必要が出てきます。

飲み込みが悪いにもかかわらず、自分で次々と食べ物を口に入れてしまうからです。

その場合には、主食を常食、おかずは一口大やきざみ食を、小分けにして渡すという支援が必要になります。

また、喉に詰まりやすいパン食は禁止の場合が多いと思われます。(パン禁

ミキサー食やペースト食ではないのは、歯で噛める内は出来るだけ噛んで食べてほしいからです。

噛むという行為に多くのメリットがあるんですね。

歯のない利用者には、主食をおかゆ、おかずをペースト食(とろみ食)とします。

自分で食べられる場合、スプーンやフォークではなく、故意に箸を使わせることで、口に入れる1回の量を減らせるという効果もあります。

掻き込み

障がい者の多くは食べることが大好きです。

歯があるなしにかかわらず、急いで食べ物を掻き込んでしまう傾向があります。

歯が揃っているとしてもおかずは一口大かきざみ食にするといいかもしれません。

場合によっては、小分けにして食べ終わったら次を渡すといったこともできます。

自立されている利用者といっても、窒息の危険があるので油断は禁物です。

また、詰まりやすいパン食は十分に注意しなければなりません。

アレルギー

途中から新たなアレルギーが発覚することは少ないのかもしれません。

気をつけるべきは、外出・外食時です。

あらかじめ予約注文するような外食はアレルギー申告は忘れにくいかもしれませんが、

外出してそれぞれ好きな食べ物を選べるような状況、イベント時などは、職員も忙しく慌ててしまいアレルギーのことを忘れてしまうことがあるので注意が必要です。

箸が持てない

身体的制限のために箸が持てない身体障がい者もいます。

障がい者の自立が1つの支援の目的ですから、極力自分の力で食べられるように支援していきます。

箸やスプーン、フォークなどについては、持ちやすく食べやすいように作られた自助具の購入や作成というのも必要です。

カロリー制限

肥満体質の障がい者にはカロリーを制限してもらうこともあります。

主には主食の量(小盛り)で調整することが多いです。

食べたくない(摂食障がい)

単にワガママな主観で、あるいは好き嫌いによって食べないことは十分にあり得ることではありますが、

中には自閉症利用者に多く見られるような「こだわり」によって、拒食することがあります。

そんな摂食障がいと言われるような拒食には、保護者にとっても施設支援員にとっても支援の難しいところではあります。

なぜ食べないのかということが理解できない場合が多いためです。

また、その障がい者自身のルールによって決めている場合もあります。

まずは医師に診てもらうことが先決ですが、

僕の経験から提案できるとすれば、

保護者と連携し、好きな食べ物や嫌いな食べ物、当日の朝食や前日の夕食は食べられたのかどうか、食べられたときの状況などを聞き出します。

もちろん施設内においても食事に対するその利用者の動向を注視しながら、

食事の時間をずらしたり、食べる場所、環境を変えるといった支援を試してください。

また、拒食など摂食障がいの原因が見当たらないという場合は、その利用者とコミュニケーションが図れていないことが多いように思います。

食事時間にかかわらず、普段から意思疎通を図り、図れなければその方法を考え、少しでもその利用者の意思が引き出せるような支援をすることです。

うまく口に運べない

身体的制限のあるなしにかかわらず、箸やスプーンを使えてもうまく口に運べずこぼしてしまうことことがあります。

身体的制限があり、お皿が持てない場合には、お皿の下に滑り止めシートを敷いたり、食べ物を掬いやすいように傾斜の付いたお皿などを使うことで改善できます。

また、身体的制限がないものの、箸やスプーンをうまく使えず、食べ物をこぼすことが多い場合には、どんぶりに移し替えるというのも1つの手です。

深い縁によってこぼすことが少なくなります。

大盛り・特盛り

常食を増やすケースは多くはありませんが、作業や活動(運動)を十分に行うことができる若い利用者には大盛りや特盛りで提供することがあります。

食事形態の違い
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まとめ

いかがだったでしょうか?

食事を楽しみにしているのは障がい者も同じです。

僕が障がい者を連れて外食した時には、おそらく食べたことがないような横文字の名前の食べ物を勧めていました。

比較的閉鎖的である施設内においては、新しい体験というのは難しいものです。

結果的に美味しくないと思われても、この食べ物は美味しくないという、今までにない新しい発見があるはずです。

まあ、だいたいは無言で感想なく食べ尽くすだけですけど…(笑)。

それでも少しでも食の楽しみを広げていきたいという個人的願望があるのでした。


障がい者と支援員を応援しています!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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