みなさんお疲れ様です。
ある年の辞令交付で初めての入所施設への異動が知らされた時、「来たか…」と覚悟をしたものです。
ある意味同僚の中では忌み嫌われがちであった、良くない噂で持ちきりの入所施設への配属は、そうではなかった同僚たちに哀れみの表情を浮かべさせるのには十分でした。
そう、哀れみの表情で。
では実際はどうだったのか。
その後3年に渡り勤めることになる僕の入所施設と夜勤の経験をこれから配属されるであろう未来を背負う支援員の方々にご紹介します。
入所施設とは
入所施設は障がい者が寝起きし生活する場で、障害者総合支援法においては「施設入所支援」と呼ばれるサービスを行います。
施設に入所している障がい者に対して、主に夜間、食事、入浴、排泄等の支援、生活等に関する相談や助言その他必要な日常生活上の支援を行うこと。
入所施設へは誰でも入れる訳ではありません。
(1) 生活介護を受けている者であって
障害支援区分が区分4(50歳以上の者にあっては区分3)以上である者(2) 自立訓練、就労移行支援又は就労継続支援B型の利用者のうち、
入所させながら訓練等を実施することが必要かつ効果的であると認められる者
又は通所によって訓練を受けることが困難な者(3) 特定旧法指定施設に入所していた者であって継続して入所している者
又は、地域における障害福祉サービスの提供体制の状況その他やむを得ない事情により
通所によって介護等を受けることが困難な者のうち、
(1)又は(2)に該当しない者若しくは就労継続支援A型を利用する者(4) 平成24年4月の改正児童福祉法の施行の際に
「障害福祉サービスの内容」厚生労働省
障害児施設(指定医療機関を含む)に入所していた者であって継続して入所している者
僕の配属された施設では、生活介護と就労継続B型の利用者が入所していました。
ちなみに施設入所支援と日中活動を行う生活介護等のサービスの両方を受けられる施設を「障害者支援施設」と呼びます。
この法律において「障害者支援施設」とは、
「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」イーガブ法令検索
障害者につき、施設入所支援を行うとともに、
施設入所支援以外の施設障害福祉サービスを行う施設
(のぞみの園及び第一項の厚生労働省令で定める施設を除く。)をいう。
基本的には入所されている利用者は、日中は同じ法人内の生活介護サービスなどを利用し活動されています。
実際に働いてみると入所と通所の生活と活動が一体になっているように感じますが、正確には日中活動以外の時間帯が施設入所支援であるということです。
以下僕が実際に配属され経験した具体的内容になります。
勤務時間とシフト
基本的に施設入所支援は24時間体制、シフト制を敷いています。
僕が配属された入所施設では日勤以外は専従はなく、他の支援員との休日を調整して土日・祝日関係なくその日その日で勤務形態もバラバラでした。
以下は僕が経験した勤務形態の一例です。
早番 … 6:30〜15:30 9時間拘束8時間勤務 男女2人出勤
日勤 … 8:30〜17:30 9時間拘束8時間勤務 通所施設日勤支援員らと
遅番 … 11:00〜20:00 9時間拘束8時間勤務 男女2人出勤
夜勤 … 15:00〜9:00 18時間拘束16時間勤務 男女2人出勤
女性支援員は日勤も含め上記4っの勤務形態を、男性支援員は日勤以外の3っの勤務形態を日によって変えます。
早番、遅番、夜勤の女性支援員は30分または1時間の時間差で遅らして出勤。
勤務の境目において支援の空白時間を無くすため、または引き継ぎや円滑な支援を行うため、時間差を設けているようです。
当時は夜勤明けの次の日は休みと決まっていました。
人数
配属職員 … 10人(日勤専従以外)
入所利用者 … 30人(ロングショートステイ含む)/定員30人
+ショートステイ2人
男性利用者20名、女性利用者10名、1棟32の居室。
1階から2階へは階段とエレベーターがありますが、夜間は階段前の扉を施錠、エレベーターを停止させます。
入所施設の仕事内容
ここでは入所施設での夜勤以外の3っの勤務形態、早番、日勤、遅番の仕事内容を紹介します。
正直詳細については忘れている部分もあり、また、現在では変わっている部分もあると思います。
早番
6:30〜15:30
入所施設利用者の起床から通所施設の日中活動の終わりまで
時間 | 支援内容 | 業務詳細 |
---|---|---|
6:30〜 | 起床支援 | 声掛け・着替え・整容・顔拭き・髭剃り・バイタルチェック |
8:00〜 | 朝食 | 食堂誘導・配膳支援・食事介助・服薬支援・歯磨き支援 |
〜9:00 | 出勤 | 準備物確認・誘導 |
9:00〜 | 朝の会 | 連絡帳確認・バイタルチェック・活動支援 |
10:00〜 | 休憩 | お茶配膳・トイレ誘導 |
12:00〜 | 昼食 | 食堂誘導・配膳支援・食事介助・服薬支援・歯磨き支援 |
14:00〜 | 休憩 | お茶配膳・トイレ誘導 |
15:00〜 | 終了準備 | 片付け・連絡帳記入・日誌記入・ケース記録 |
15:30〜 | 帰りの会 | 持ち物確認・誘導・見送り |
通所施設の日勤職員同様、昼食を摂りますが、施設入所支援での朝食も摂っていました。
日勤
8:30〜17:30
通所施設の日中活動と主に入所施設の利用者を支援
時間 | 支援内容 | 業務詳細 |
---|---|---|
8:30〜 | 出勤 | お茶準備・出迎え・出席確認・利用者引き継ぎ・連絡帳確認 |
9:00〜 | 朝の会 | 挨拶・予定発表・バイタルチェック・活動支援 |
10:00〜 | 休憩 | お茶配膳・トイレ誘導 |
12:00〜 | 昼食 | 食堂誘導・配膳支援・食事介助・服薬支援・歯磨き支援 |
14:00〜 | 休憩 | お茶配膳・トイレ誘導 |
15:00〜 | 終了準備 | 片付け・連絡帳記入・日誌記入 |
15:30〜 | 帰りの会 | 持ち物確認・誘導・見送り・利用者引き継ぎ |
16:00〜 | 送迎・記録 | 片付け・送迎・ケース記録・日誌記入・入浴支援 |
生活介護やB型など通所施設の日勤支援員も当然勤務されていますが、入所施設の支援員も日中活動と入所・通所利用者を支援します。
入所施設へ配属された女性の支援員がシフトの一つの勤務形態として組み込まれていました。
昼食は利用者と一緒に摂りますが、他の職員と協力して時間をずらすこともありました。
遅番
11:00〜20:00
通所施設の日中活動の支援と昼食から入所施設の就寝前まで
時間 | 支援内容 | 業務詳細 |
---|---|---|
11:00〜 | 活動 | 日中活動支援・昼食準備 |
12:00〜 | 昼食 | 食堂誘導・配膳支援・食事介助・服薬支援・歯磨き支援 |
14:00〜 | 休憩 | お茶配膳・トイレ誘導 |
15:00〜 | 終了準備 | 片付け・連絡帳記入・日誌記入 |
15:30〜 | 帰りの会 | 持ち物確認・誘導・見送り・利用者引き継ぎ |
16:00〜 | 入浴 | 入浴支援・入浴後見守り・利用者確認/点呼・水分補給 |
17:30〜 | 夕食準備 | 入浴後見守り・利用者確認/点呼・食堂誘導・お茶準備 |
18:00〜 | 夕食 | 食堂誘導・配膳支援・食事介助・服薬支援・歯磨き支援 |
19:00〜 | 入浴・自由時間 | 入浴支援・入浴後見守り・利用者確認/点呼・水分補給 金銭管理・お小遣い準備 |
20:00〜 | 就寝準備 | 水分補給・バイタルチェック・居室誘導 |
このほかに週2回、夕食後におやつの時間を設けていました。
夜勤の仕事内容
人数
夜間勤務は男女1人ずつの2人で利用者30人(前後)を支援していました。
僕が配属された入所施設は2階建てで、食堂や浴室がある1階に1人、居室がある2階に1人職員が配置されました。
ここでは1階の配置職員を夜勤①、2階を夜勤②と表記しますが、男女で決められてはおらず、日によって変わり、また、休憩や見回り時に1階と2階を一時的に交代することもありました。
勤務時間
15:00〜9:00
入所利用者の入浴から就寝、起床から出勤まで
8時間×8時間勤務の18時間拘束の長時間勤務。
仮眠もできます。
障がい福祉の現場で働く前、製造業の工場で夜勤の経験はありましたが、16時間実働18時間拘束は初めてでした。
異動初日には先輩職員と一緒に実際に教えてもらいながら業務の引き継ぎを行いましたが、緊張と初めての経験で疲れ切った僕は9時間が経過した0時に帰れるものだと気を抜いていました。
しかしまさか18時間拘束という勤務自体あるとは知らず、衝撃を受けたのでした。
仕事内容
夜勤の勤務時間帯における大まかなタイムスケジュールはこちら
時間 | 支援内容 | 業務 | 配置職員 |
---|---|---|---|
15;30〜 | 入浴 | 利用者引き継ぎ・入浴支援 入浴後見守り・利用者確認/点呼 | 日勤・遅番・夜勤 |
17:30〜 | 夕食準備 | 入浴後見守り・利用者確認/点呼 食堂誘導・お茶準備 | 遅番・夜勤 |
18;00〜 | 夕食 | 食堂誘導・配膳支援・食事介助 服薬支援・歯磨き支援 | 遅番・夜勤 |
19:00〜 | 入浴・自由時間 | 入浴支援・入浴後見守り 利用者確認/点呼・水分補給 | 遅番・夜勤 |
20:00〜 | 就寝準備 | 水分補給・バイタルチェック・居室誘導 | 遅番・夜勤 |
21:00〜 | 就寝 | 利用者確認 | 夜勤①② |
22:00〜 | 事務作業 | 日誌記入 | 夜勤② |
22:00〜 | 洗濯 | 洗濯物回収・洗濯・ケース記録 | 夜勤① |
23:00〜 | 休憩 | 夜勤① | |
0:00〜 | 見回り | 利用者確認・戸締まり 定時トイレ誘導 | 夜勤① |
0:00〜 | 休憩 | 夜勤② | |
1:00〜 | 事務作業 | 食数確認 | 夜勤② |
1:00〜 | 洗濯 | 乾燥・畳み | 夜勤① |
3:00〜 | 休憩 | 夜勤① | |
3:00〜 | 見回り | 利用者確認・定時トイレ誘導 | |
4:00〜 | 休憩 | 夜勤② | |
4:00〜 | 洗濯 | 洗濯物収納 | 夜勤① |
5:00〜 | 清掃 | 浴室・食堂清掃 | 夜勤① |
5:00〜 | 事務作業 | お茶準備・ゴミ回収・顔拭きタオル準備 | 夜勤② |
6:00〜 | 雑務 | 日用品補充・ゴミ捨て・着替え準備 | 夜勤① |
6:00〜 | 雑務 | 着替え準備・お小遣い準備 | 夜勤② |
6:30〜 | 起床支援 | 声掛け・着替え・整容・顔拭き 髭剃り・バイタルチェック・トイレ誘導 | 夜勤・早番 |
7:30〜 | 記録 | 連絡帳記入・ケース記録 | 夜勤② |
8:00〜 | 朝食 | 食堂誘導・配膳支援・食事介助 服薬支援・歯磨き支援 | 夜勤・早番 |
〜9:00 | 出勤準備 | 準備物確認・誘導 | 夜勤・早番 |
業務詳細
ここからは業務や支援の詳細と備考です。
細かく分ければ書き切れないことも多く、施設によっては入所職員の業務でないこともあるかもしれません。
休日
休日は通所施設がお休みの日です。
食事や入浴の時間は変わりませんが、稼働日の日中活動の代わりに外出や余暇活動などが充てられます。
余暇活動を計画するのも入所職員の業務の一つです。
外出
外出は余暇活動の一つとして買い物に行く場合と、入所職員が担当利用者を連れて外出する個別外出に分かれます。
通院
原則看護師が利用者に同行して通院を行いますが、手が回らず入所職員が同行することが多々ありました。
定期通院ならまだしも、熱発など突発の通院では、勤務職員が一人現場から抜けてしまうことになります。
記録
多くの記録を残す必要があります。
入所施設としての日誌や利用者個別のケース記録、他事業所へ出勤する利用者の連絡帳記入、後述する食数、ショートステイ利用者の記録、定時排泄の記録、バイタルチェックの記録、利用者確認/点呼の記録、水分補給の記録などなど。
記録は夜勤に限らないのですが、忘れているものも含めその量は多かったように思います。
ケース記録はパソコンで専用記録ソフトへ入力していました。
入所施設としてのケース記録は、通所の日中活動終了後から就寝までと起床から通所施設へ出勤するまでの内容となります。
食数
約30人分と勤務職員の朝昼晩の3食の実食数とこの先の予定数を確認、記入します。
翌日の食数も確認し、委託業者へ提出して注文となります。
入所を利用していない通所利用者や日勤だけの通所施設職員の昼食分も管理しており、欠席者や休日によってその日の食数はバラバラです。
また、ショートステイ利用者の有無、入所利用者の帰省の有無も確認しておかなければならず、多かったり少なかったり間違いも多かった記憶があります。
また、食数担当になれば、月毎に抜けや間違いがないよう確認して、事務方へ回します。
勤務職員や通所利用者の出欠も日により異なり、かなり間違える可能性が高いのです。
清掃
夜間勤務者は食堂や浴室、トイレの掃除を行います。
居室に関しては日勤の業務としてまたは活動の一環として利用者と一緒に行っていました。
日用品
利用者用のオムツとパッド、支援員が使う手袋やビニール袋、共用のトイレットペーパーやボックスティッシュ、洗剤や電球などの日用品全般を補充します。
担当者になれば注文し、管理しなければなりません。
オムツやパッドの消費量がえげつなく、その費用が問題になったことも…。
起床支援
利用者を起こすだけではなく、着替えの準備から着替えの介助を行います。
夜勤者は事前に朝の着替えを準備し枕元に置いていました。
就寝支援
声掛けをして就寝を促します。
眠れない、または眠ろうとしない利用者は生活リズムが崩れ日中活動に影響が出てしまいます。
眠りたくない、眠ろうとしない利用者をどうすることもできません。
洗濯
洗濯物は大量です。
約30人分の洗濯物ですが、失禁する方もいるのでその分量も多く手間も掛かります。
失禁や便失禁で汚れれば、通常の洗濯物とは別に工程が増えます。
また、乾燥や仕分け、畳みや収納も業務の一つです。
金銭管理
入所利用者のお金を管理する必要があります。
利用者のお金は、事前に預かった通帳や口座から、または保護者から渡されます。
衣類や生活用品など必要物品を担当職員が購入し、出金や支出は正確に出納帳に記入しなければなりません。
その際、領収書やレシートを揃え、証憑(しょうひょう)書類として残します。
お金に関わる取引の書類のこと。レシートも含まれる。
通所施設の稼働日で持ち出し使用した、レシートのないジュース代なども記録します。
本来は使用の都度出納帳に記入するのですが、月末まで溜めてしまいがちで時間の掛かる業務の一つです。
必要物品は保護者が定期的に持参してくれることもあります。
自治会費
利用者自治会は通所施設だけではなく、入所施設としても存在し、利用者らが話し合う場です。
この入所施設では利用者一人一人から自治会費として月数千円集め、そのお金でおやつや共用の、必要なものを買っていました。
定時トイレ誘導
夜間でも決まった時間でトイレ誘導する利用者がいました。
これは最終的にはオムツが取れることを見据えた支援です。
必ずしもオムツを履いていないというわけではないのですが、失禁がなくなるよう、やがては下着を履き、やがては自分でトイレへ行けるようトレーニングしているのです。
排泄
利用者の中には排泄が困難である方もいます。
S字結腸や腸閉塞などを持病のある利用者は、センナ茶の摂取またはラキソベロンをお茶に数滴混ぜて便の排泄を促していました。
ただ、便が緩くなることで衣服や下半身を汚してしまうことになり、その分定時トイレ誘導が重要になってくるのです。
シャワー室
浴室とは別にシャワー室が設置され、そこは失禁や便失禁で簡易的に体を洗い流す場として利用されていました。
また汚れた衣類のつけ置き場でもありました。
服薬支援
誤薬には十分に注意しなければなりません。
食堂で大勢の利用者に服薬支援を行うため、また、必ずしもじっとしているわけではない利用者へどの職員がどの利用者へ服薬を終えたのか、分からなくなってしまいます。
日毎、3食毎看護師が服薬をまとめてくれるのですが、抜けていて服薬を忘れたり、抜けていたかもしれないと支援員が勘違いして二重服薬してしまうことがあります。
施設の決まりとして職員は声に出して服薬を終えたことを周囲に知らせることになりました。
服薬忘れを防ぐためにも服薬チェック表へ記入し、破いた薬袋は一時的に保管しておくという方法が取られました。
入所利用者の8割は服薬しており、基本的には大きな食堂で一斉に食事と服薬を行っていました。
ショートステイ
入所施設にはショートステイ(短期入所)用の居室が用意され、2部屋ありました。
ショートステイ利用者の荷物や服薬の有無、食数、障がい特性、支援の必要性などの確認が必要になります。
短期であるためその顔ぶれも変わり、また、支援も変わります。
また、個別の記録も行わなければなりません。
お小遣い準備
利用者個人のお金からお小遣いとしてそれぞれの財布に小銭や少額のお金を入れておきます。
入所施設と生活介護の活動場の敷地内には自動販売機が設置され、昼食後に購入。
また、B型事業所など別の場所へ出勤する入所利用者にもジュース代をほぼ毎日用意します。
運動を好まない糖尿病予備軍の利用者の多い施設内に自販機があるのはどうなのでしょう。
休憩
労働基準法8時間では1時間の食事休憩、約15分の小休憩をとることが決められています。
かといって決められた時間に休憩できるわけではありません。
障がい福祉の対人支援、意思を持った人間相手ですから予定通りにいかないことも多々あるのです。
また、思いの外雑務が多いのも休憩を妨げます。
几帳面な僕は、掃除やケース記録、洗濯物畳みなどに時間が掛かり仮眠できず朝を迎えることもありました。
十分に仮眠した要領の良い職員を羨んだものです。
配置基準が適正だからといって想定内の業務だけしか見ようとしないのであれば、必ず現場支援員に負荷が掛かり、不満につながるのです。
お茶
日中活動中だけでなく、夜間や朝でも水分補給のために麦茶を作ります。
ウォータージャグと言われるような保冷・保温ができるポット2っ分作っていたような記憶があります。
また、お茶を飲むためのコップは共用で、勤務当初自分では口を付けたくないような衛生管理だったことが思い出されます。
このような衛生管理も業務の一つです。
利用者共用のもので、果たして支援員が使えると思えるぐらいの衛生管理ができているのか…。
入浴
入浴の時間帯は2回に分け、それぞれ男性利用者が先、女性利用者が後とし、生活介護利用者はその日中活動の一つとして1回目の入浴時間と被っていました。
夕食後の入浴は、混み合った浴室と騒がしさが苦手な方、ショートステイ利用者など、比較的ゆっくり入れるよう配慮していました。
入浴支援も全介助から仕上げまで、自立されている利用者は少なかったように思います。
シャンプーやボディソープは、基本的には共用のボトルを使用し、詰め替えの中身を担当職員が利用者のお金で買ってきます。
選べる方は利用者自身好きなメーカーを専用で使用します。
支援員2〜3人、浴室と脱衣所に分かれ、流れ作業で一人一人異なる入浴支援を行います。嵐のような時間でした。
利用者確認/点呼
不穏による無断外出や事故の察知、利用者の安全のために定時に利用者確認を行います。
利用者が普段から自然と集まれるよう、テレビなどを設置した大きな部屋で点呼を取ります。
多動のため施設外を出歩いたり、入浴やトイレなど所用でいなければその利用者を探しに行きます。
階段やエレベーターを施錠する前の時間帯は、特に多動の利用者の動向に気を揉んでいました。職員が一人取られるわけです。
非常階段
2階から外へは非常階段で降りることができます。
非常時、避難訓練時に使用するわけですが、内側からは普段もすぐに出られるよう誰でも開けられる簡単な施錠しかされていませんでした。
つまりは出ようと思えば外に出られる仕様になっているわけで、無断外出には要注意です。
防犯
ある時から、入所施設に関わらず全ての施設・事業所の入り口や周辺、事務所内に防犯カメラが設置されました。
まとめ
僕が勤めた入所施設での3年間は過酷であったとの記憶と今後どこへ異動になろうとこれ以上の過酷な現場はなく、それを経験し乗り越えたという自負が入り混じっています。
それは何事にも変え難い貴重な体験でした。
また、他の日中活動系の事業に比べ、業務量や閉鎖空間であることによる虐待や防犯に関わる問題など、入所施設にはまだまだ問題が多いと感じています。
現場支援員だからこそ分かる改善点を日々の業務に追われて1日1日が過ぎていき放置した結果、最悪の事態を生む、そんなことは避けたいものです。
入所施設や夜勤の経験は必ず今後の支援と業務の遂行や改善に役に立つはずです。
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