みなさんお疲れ様です。
障がい者を支援していて困ることと言えば、
服薬を拒否されることですね。
薬と言っても内服薬だけじゃなく、外用薬もあります。
中にはてんかんの薬や精神安定剤もありますから、飲まないことで何が起こるか分からない怖さもあります。
今回は自閉症利用者の目薬拒否とその支援について紹介したいと思います。
自閉症の拒否
障がい者も人間ですから、こちらが良かれと思って提案した支援も拒むことはあります。
障がい者の多くは素直ですから、支援する側がドキっとしてしまうほどハッキリと断ることもあります。
それは多分、これならすんなり受け入れてくれるだろうという先入観だったり、支援員の中で当たり前のこと、当然のこととだという決めつけがあるからですよね。
不意にそんな拒否があるものだから怒りたくなる気持ちも十分に分かります。
当たり前に歯磨きの声掛けしたら拒否されて、
当たり前のことだし、しかも昨日はすんなり歯磨きしていたものだから、
支援員も咄嗟には言葉が出てこない。
虫歯になるから、とか、ダメです、とか、そんな言葉しか出てこない。
自閉症の利用者がそんな声掛けだけで動いてくれることは、多くはないのです。
自閉症利用者の拒否の理由
僕なんかは、まあ、1日くらい磨かなくても大丈夫、なんて楽観的ですけど、
あまり1つの拒否に固執して時間を割いて説得しようとしても、支援員の負担が大きいと考えます。
別の記事でも書いたように、他の支援員に声掛けしてもらったり、そうでなくても時間を置いて声掛けすれば、たいていはすんなり歯磨きしてくれますから。
おそらく支援員にとっては、先延ばしにせず歯磨きの時間に歯磨きして欲しい、
他の支援員に支援ができていないと思われたくない、という勝手な打算があるからじゃないでしょうか?
その拒否には何かしらの理由があるはず、なんてことは誰でも想像はできるんですが、
そこまで客観視できる時間も余裕もない。
どんな障がい者でも、どんな拒否でも理由があるはずなんですけど、
自閉症に限っては彼なりの明確な理由があると思うんですよね。
例えば、支援員が声掛けした歯磨きの時間が数分ずれていたり、観ていたテレビ番組が終わっていなかったり…。
今回は、目薬を拒否する自閉症利用者を紹介したいと思います。
自閉症利用者への目薬支援
花粉症
その利用者も自閉症で、グループホームに住んでいます。
グループホームですから、ある程度自立されていて、コミュニケーションも日常会話には十分です。
特に持病もないのですが、残念ながら花粉症持ちなんですよね。
鼻水や目のかゆみがひどくなるとのこと。
僕は花粉症ではないのですが、2月くらい?から症状がでるんですかね。
保護者からの要望もあって早めに服薬させたいとのことで、11月に通院に行きました。
目薬も処方してもらい、実際の点眼は2月くらいからということでしたが、
花粉症の点眼って1日4回!ですか?(朝・昼・夕・就寝前の4回)
人ごとですが大変ですね〜、花粉症って。
いやいや人ごとじゃなく、この利用者は自分ではうまく目薬を差すことができないんですよ。
自分でやろうとしてくれるんですが、目に入らず何度も挑戦して無駄に顔を濡らしている…。
今は自分で簡単に点眼できる器具が販売されているようで、その購入の検討もしましたが、
その器具によって自分で点眼できるとしても、1回1〜2滴を確実に点眼できるまでは見守りが必要です。
どうせ見守るんだったら、器具なしに自分でできるように支援しながら見守った方がゆくゆくは本人の自立になりますよね。
ってことで少しづつ自分で差せるように支援していくことに。
つまり当分は支援員が1日4回差さなければならないんですね。
当然1人の支援員だけでなく、周知の上でその時々で勤務している支援員に協力していますが。
目薬拒否
1日4回の中で拒否することがあるんですよね。
唐突に「やらないよっ」と言います。
就寝前なんかは、布団に入っていても声掛けすれば自分で布団を剥いで顔を出してくれるぐらいなんですが。
朝の拒否が多かったんですよね。
その理由は言葉では伝えられないようでした。
目薬の時間は起床して朝食の食卓に食卓についたときでした。
朝食の前です。
目に染みることが嫌であれば朝に限らないはずですが。
その他いろいろ想像しましたが、そのシチュエーションで可能性があるとすれば…、、、、、、、、、、
僕の経験からですが、目薬の成分が目から鼻の中へ、そして口の中にまで伝わって来るってことありません?
それが苦みを感じるんですよね。
これから食事をするってときの直前だから、薬の苦味が食事の邪魔になり嫌なのかなあ、と。
「苦いから?」訊いてみると、
「苦い」と言う。
いや、本当のところは分かりません。分かりませんが、
朝食後の点眼は拒否することがありませんでした。
まあ、結果的にこれで良かったんだと思います。
気付きと支援方法
他人の考えることなんて分かりはしません。
障がい者と接することで改めて痛感しました。
想像(推測)すること、後は、
支援するこちら側にとっては、支援を提案するだけですよね。
服薬に関しては、支援員が勝手に飲ませないなんて決められないし、強引に飲ませることもできないことなのです。
決められた用法・用量に従って、服薬できるように支援する。
その方法にバリエーションがあって、どれだけ引き出しがあるかが、
その支援員の支援力が測れる1つの目安になるんじゃないでしょうか。
まとめ
拒否するのは目薬だけじゃないですし、今後も拒否に対する支援の記事を書いていくと思います。
利用者に対する心構えや免疫ができていないと、拒否に対して結果的に虐待につながる可能性があると考えています。
思うようにいかない、そんなことは対人支援では必ずあることで、
人間力というか、支援技術・能力が試される要素です。
支援してやってる、支援してあげてる、なんて気持ちが少しでもあれば、
やがては支援する側の心をかき乱すような時がやって来るはずです。
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